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ナカノブひとりぼっち

(日常はあっけなくデストロイされちまった!)

新・我らの時代に ~少年愛って疾風怒濤☆編~

大体妙だと思っていたのだ。

やけに多いじゃないか、ハヤテのごとく!のキャラの中で「かわいいおとこのこ」が。

マリアさんその他に可愛がられるハヤテ、
シスターに可愛がられるワタル。

「かわいいおとこのこ」:そしてそれはヘテロセクシャルな意味のみにとどまらない。

虎鉄から愛の告白を受けるハーマイオニー状態のハヤテ、
106話において登場して赤丸急上昇なタイガ坊ちゃん。

彼らは同性愛的な意味合いでの「かわいいおとこのこ」である。

登場する男キャラの半分くらいが「かわいいおとこのこ」なんじゃないだろうか。
なぜハヤテのごとく!においてはこれほどまでに「かわいいおとこのこ」が出現するのか。

さて、みんなは何でだと思う?

「畑健二郎の趣味!」
「畑健二郎の趣味!」
「畑健二郎の趣味!」

(以上、声無き叫びから)

…。
うむ。
おそらくそれは最も正しい答えの一つだろう。
だが、それだけでは不足だと思うのだ。
かつてもそういった趣味を持った漫画家はいたはず、しかし現在ほど少年漫画誌に「かわいいおとこのこ」が出現する時代は無かったハズだ。


それを踏まえた私の答えはこうだ。

「求めているのだ、時代が!」

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テーマ:ハヤテのごとく! - ジャンル:アニメ・コミック

怒りのキックは教育的指導!それにつけても日本が平和でよかったなあの巻

みんな待ってる水曜日のお楽しみ。名前がサンデーってくせに水曜日に発売するサンデーは皆の幸せ。とくにハヤテのごとく!はみんなのお気に入りさ!…と昔の洋画の登場人物みたいな導入ですが…

ハヤテのごとく!いやあなんか今回の話はいい話でしたね。

BSによれば畑先生も気に入ってらっしゃるようですが、特に桂先生がちゃんと先生なところがいいですよ。吉本新喜劇だったら島木譲二が強盗で桑原和夫が桂先生の立場ですね。銃を手にして熱血教師なサンデー99ページめ。腐っても教師。腐ってるんかい。

そして桂先生は妹からちゃんと尊敬を受けていたのですね。やっぱり名門校の教員として雇われるということはそれなりに優秀な人でしかなれないんでしょうし…世界史教師桂雪路。社会科教師になっても就職するのって難しいらしいですよ。やはり優秀なのか。

でも世界史って日本各地の高校で履修されてなかったりして哀れな。桂先生。


あと、強盗って儲かるんかな?

とか思ってそのへんのガキんちょがちょいと軽い気持ちでロシアはサンクトペテルブルクとかに旅立って街にうろうろしているロシアマフィアからカラシニコフ末端価格10万円ナリとかを『お年玉の残り』で購入して日本の税関で引っかかったり、あるいはもしくはどうにかして日本国内に自動小銃を持ち帰ってさっそくデニーズで強盗をしてみたところガキんちょの悲しさで安全装置に関する知識がまったく無くって思わずフルオート連射をしてしまって彼も予想以上の殺傷、ああ阿鼻叫喚ここに極まれりという結果を招いて警察も彼は少年法の庇護の下にあるものの確保してカツ丼を食わせてみたところ、ガキんちょから「いやあサンデーのハヤテのごとく!って漫画を読んで『強盗ってすごい!』と思いまして、それじゃいっちょやってみっかあとか思っちゃいましてははは」なる動機及び現在の心境を引き出し、記者会見にて発表したところそれが全国の新聞及び雑誌、そしてインターネットでの言論を掻っ攫って喧々諤々の議論、中でも直接の動機を構成したサンデー及びハヤテのごとく!への非難はすさまじく小学館社員及びサンデーやコロコロやらの漫画家は路頭に迷い畑先生も路頭に迷いしかしホームレス社会においてすら畑先生はハヤテのごとく!を描いてガキんちょを扇動したのだ!ほら自己批判だ自己批判だと糾弾され居場所も無く、人生の暗黒期。

しかし他の出版社も最早漫画雑誌全体へと批判の目が向けられてこうなっちゃあ黙っちゃ居れん、と日本の漫画編集者たちはみな社会の木鐸たるジャーナリズム精神を発揮し全面的言論闘争を展開したらいでか、と奮戦し状況は国論を二分するてんやわんや、この問題は国会においても取り上げられ安倍首相の答弁する国会衆議院は霞ヶ関、言論・思想信条の自由と治安維持の要請を秤にかけて議会は紛糾し、文部科学省と警察庁それぞれの族議員は対立し政界は裏金をばら撒き派閥での結束ばかり強まり、本来の議論が捨て置かれていることに憤激した漫画家とそのファンたちは国会を取り囲み連日のデモ、デモ隊が霞ヶ関から日本橋まで伸びた頃にはデモ隊の意気極限まで高まり、そしてあるとき暴力の発露が。

やがてデモは警官隊との衝突を起こし暴動、そして自衛隊が出動し鎮圧を試みるもいつしか自衛隊内の賛同者がデモ隊側に取り込まれ暴動はクーデターへと発展し放送局を占拠、畑健二郎を国家元首とする新政権樹立に向けた放送を開始し全国各地でも武装蜂起が雪崩を打って起こり日本は新時代を迎え、後世の歴史家はこれを「ハヤテのごとく!革命」と呼ぶ…



…みたいなことにはならないから日本の治安っていいんでしょうね。

そもそもそんなことになる国ってなさそうですけれども。
まあ、日本が銃社会じゃなくて本当に良かった。

また、仮にそんなことになっても私は糾弾された漫画家のためにささやかながら本棚の裏の隠れ家とかを用意して待っているつもりです。畑先生は私ががんばってかくまいますので心配しないでください…あ!武装親衛隊がやってきた畑先生隠れて隠れて!みたいな。

なんか小人閑居にして不善を為すって感じの妄想はおいておいて。

タイガ坊ちゃんが女の子にしか見えませんでした。ネクタイ締めてるから男の子なのか。そうか。男の子なのか。しかし。小等部。未だ髭生え初めぬ年頃。耽美。ヒムロとタイガ坊ちゃんの間にはルー○を可能にさせるほどの愛があるのですな。ドラクエ5では失われた魔法だったってのに。シスターとワタルの間にも。シスターはビデオ屋に入り浸ってるんか…

そして髭生え初めぬ年頃…ヒゲはハヤテも生えてないみたいだけど。ヒゲそってないですし。朝ハヤテが起きたシーンでハヤテに青ジョリがあったら心の底から嫌やなあ…もしも青ジョリのままでハーマイオニーへとコスチューム・チェンジ!(変身時の掛け声)したらそれはそれはもう異次元の恐怖がありますね。なぜ人間はヒマだとどうでもいい恐怖な光景を想像してしまうのか、自身のヒマさに恐れ慄くばかりだぜ…

それはそうとフランスには「ヒゲのない男には注意しろ」ということわざがあるんだそうですよ。どういう意味かは不明ですが。

私もハヤテには今後とも注意を欠かしません。皆さんもお気をつけくださいませね。

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『漫購入してみたい』ってなんやねん

さて皆さん。

皆さんは購入されたかな『現代漫画博物館』。
私は買った。4410円払って。大体司法試験対策本の2冊分の価格ですね。

感想としては:
古い本から新しい本まで広く網羅していていい本だ。4410円の価値は確実にある。『まんが道』を愛読しているような重度のまんが好きには応えられない本だね。一読一気に読み通したくなるどころか二度三度と一日のうちに読んでしまいたくなる本だった。

ただ、ちょっと不満が残ったのは少女マンガに関してだ。私もあまり少女マンガを読むほうではないが、80年代のりぼん漫画のいくつかを非常に愛している私としては柊あおいや岡田あーみんと言った作家の作品について言及していないのはちょっと勿体無い気がするのだ。

特に柊あおいなんて『耳をすませば』が宮崎アニメになったりしていてその後の社会やマニアに与えた影響なんてかなり大きいものがあると思うのだが(もっとも、原作と映画の『耳をすませば』は全然違うのでそんなに原作自体の知名度が無いことからしょうがないのかもしれないが…)。『ちびまる子ちゃん』は載ってるけど。

あとマイナー系の漫画にも結構な言及がある。黒田硫黄の『セクシーボイスアンドロボ』にも言及があったのは意外だ。それにしてもIKKIから三巻でないのだろうか。続きが気になるんだけど。賞取ってるのにさ。

IKKIって最も売れていない漫画雑誌の一つだと思うのだが影響は大きかったと判断されたってことか…そいでもって講談社のアフタヌーンに連載されていた『大日本天狗党絵詞』には言及がなかったりする。

最後に。
気になったのが『現代漫画博物館』の愛読者カードだ。こういう項目がある:

■本書の姉妹本で戦前の漫画を扱った『漫画大博物館』という本はご存知ですか。

1.知らない 2.知っている 3.購入している 4.漫購入してみたい

『漫購入』ってなんや…?

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畑健二郎は西宮の近所に住んでいたのだなあ:ハルヒとハヤテ

wikipediaって便利ですね。
googleで『畑健二郎』を調べてみると三番目に畑先生に関する情報の記載がありました。

で、私にとって興味深い部分が。

『兵庫県立芦屋南高等学校(現兵庫県立国際高等学校)卒後、大阪芸術大学芸術学部に入学するが…』

大阪芸術大学。うわ私の家からめっちゃ近い。ま、これは個人的なことで。ちなみに結構いなか。

そして、芦屋。うわ。むっちゃ近所やん!

涼宮ハルヒの舞台と!

この文章を読んでいるような人なら既にご存知であろうが、今年結構な話題になったアニメ(別にライトノベルでもいいけど)『涼宮ハルヒの憂鬱』のモデル地(ロケ地とは言わないかな?)が西宮なのだ。

この事実は西宮のマニアたちを喜ばせた。西宮在住のヒマなオタクたちはモデル地を巡礼し近所の人たちから変な目で見られたりした。

具体的に言えばハルヒが野球をしたグラウンドの中に入って「これが長門の見ていた風景か…」と言ったりハルヒが映画を撮った池の浮き島を眺めて「あそこからミクルビームが発射されたのか…」と言ったり兵庫県立西宮北高校に行ってハルヒの高校生活を妄想したり。ああ楽し。

なんでそんなに細かく知っているのかって?私が行ったからだ。『西宮出身のヒマなオタクの友人』に連れられて!

女でこういうことをする人は珍しいのかもしれないな、と思っていたが『冬のソナタ』のロケ地探訪をするおばさまがたを省みればやっぱり男も女もミーハーな奴は一定量いることは確かなのだろうな…

そこで友人がぽつりと言ったのだ。

「しかし、この辺りは震災でいっぺん崩れたんや…」

友人も給水車を8時間待ったりしたそうで。なにせ甲子園にまでヒビが入るような地震だったもので。ハルヒもたぶん子供の頃、一時期は避難所生活をしていたんだろうか…そんなことを考えるとハルヒたちのやんちゃな活動も一層深みを持って見ることができますのう。

別にそんな深みを持って見る必要もない気もしますが。

さて、元に話を戻して、畑先生に関して言うと、どうも先生もかなりハルヒがお好きなようで。ハヤテのごとく!バックステージのvol.98(97話のバックステージ)でも、

『時系列がバラバラなままのほうが後でDVDを
全巻揃えた時に『よし、今回は時系列順に見てみよう!』という
楽しみがあったのに……。
でも大好き。ここ数年ハマったアニメでは間違いなくナンバー1
だと思います。』

とハルヒのアニメについておっしゃってますし。

たぶんここまで気に入られたのは地元が舞台のアニメだった、てなことも一因としてあるんではないでしょうかね?

まあ、私の予想に過ぎませんが、これにて一席のお粗末。

追記:
畑先生はアニメイト三宮店で『魔神英雄伝ワタル』の下敷きを買ったことがあるという情報が信用できる情報筋から寄せられた。
…三宮…あのへんか…

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私立探偵ブリトニー ~勤労感謝の日にも職探し!の巻~

前回までのあらすじ:

仕事に恵まれない私立探偵、ブリトニーは節句働きな奴で勤労感謝の日に働き始めてやがる。
いや、むしろ常日頃は働いていないからこそ祝日に余計に働かねばならないのか。

ともあれ、ブリトニーは三途ノ川先輩のアドバイスでアンチ・産業スパイの探偵になった。

でもやっぱり仕事は無かった。

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桂雪路って両津勘吉みたいな人生観なんでしょうか

畑先生のBSにも出てきましたが、PS3発売しましたね。どっかの大きな電気店では完売したそうですが私の家の近所の量販店ではごく普通に入荷していましたよ。すぐ売れてしまったようですが。

私は小学校のときやったポケモンとFF7以降まともにやったゲームが無いのであまり感慨が沸きませんでしたが、ゲームといえばキャラクタービジネスの甘い匂いがプンプンしますよ。小学館ってキャラクタービジネスに力を入れていたはずで。それにしてもハヤテのごとく!ってゲームになりうるでしょうか…たぶんなりそうに無いですね。執事が主役ってどんなゲームやねん。

…いや、こんなときは考え方を変えるんだ!まったく新しいストーリーのゲームなら作りうるのだ!任天堂DSの動物の森とかいうやつみたいに執事のおだやかな、あるいは刺激的な日常を送るゲームというのは…

例えばこういうのはどうでしょう。

迫り来る巨悪、三千院財閥の資本を牛耳ろうとする外資系企業の罠。プレイヤーは三千院家の執事、綾崎ハヤテとなって、ご恩のある三千院の資産を守るため敵対企業に対して法務交渉をしたり株価操作を行ったり市場の動向をにらんであずき相場に手を出したり。その合間合間にはナギと遊んだりマリアさんの作ったご飯を食べたり虎鉄君から愛の告白を受けたりクラウスさんから愛の告白を受けたりタマに求愛行動を取られたりするのですよ。

…なんか面白くなさそうですね…

あるいはこういうのはどうでしょうか。世界一の執事になるという見果てぬ夢を追うクラウスさんに自らの夢を託された綾崎ハヤテ。そう、プレイヤーは綾崎ハヤテとなって世界一の執事になるのだ!

そんでもって過酷な練習を続けるわけですよ。
「どうだハヤテよ、『セバスチャン養成ギブス』だ!」
「くっ!なんのこれしき…!」
「どうしたハヤテ!そんなことでは執事の星は輝かんのだぞ!」
「クラウスさん!…僕は…僕はやります!」
みたいな。

…やっぱりいまいちですね。

それはさておき、今回の話についてですが。

桂先生はなんか両津勘吉みたいな人生を送ってる人なんですね。
だったらそれこそ両さんみたいに、突然なんらかの発明だとかビジネスモデルを形成するだとかをして銭の花を咲かせるというのはどうでしょうか。

いや、『銭の花は白い…せやけどその根は血のように赤いんや…!』と言っていた貧乏神もいましたしここは赤貧洗うがごとく堅実に生きていくべきなのか。そうよねひまわりさんに笑われちゃうものね!と。

でも食い逃げってしちゃならんわけで。ここで来週のハヤテがどのようにこの倫理的・法的ピンチを切り抜けるかということを考えて見ましょう。

①ハヤテたちが強盗犯を撃退したことでお店から用心棒代として代金をチャラにしてもらえる。
②メールに返信が帰ってこないことに疑問を抱いたヒナギクが超自然的な力でハヤテたちが無銭飲食していてかつ強盗の危険にも晒されているという困った状況にあることを察知する。そんでもって正宗で強盗も撃退して代金も払ってくれる。
③強盗と一緒に無銭飲食犯として逮捕される。そして今度はハヤテたちの獄中記が再来週から始まる。
④ ③に続いて、ハヤテ君たちの法廷闘争が社会問題となり、ハヤテのごとく!は人々の共感と感動を呼び起こすヒューマンドラマとなる。ついでにハヤテの借金も後援者が返してくれる。
⑤格差社会に起因する諸々の犯罪に立ち向かうため結成された内閣直属の秘密機関が強盗を逮捕・更正させる。そして、事件の最中の判断力・行動力などを認められたハヤテたちも、その秘密機関に要請されその活動に参加する。その過程が非常に良質な社会派ドラマとなり、ハヤテのごとく!は文部省推薦漫画になる。

私は若干⑤は浦澤直樹っぽくて面白いんじゃないかとか思っていますが②あたりが本命じゃないかと思います。
だからどうしたといわれると困りますが。

まあ、ラストについての予想が当たるような漫画って面白くない気もしますね。
そしてサンデーの漫画はは私の予想斜め上を行く結末を見せてくれるから好きさ。

また、ハヤテブログとして高名なぷらずまだっしゅ!では②に近い結末を予想されている模様。
やっぱり②は鉄板なのか。
次週乞うご期待、ってわけで一席のおそまつ。

追記:コメント欄での指摘により、記事中の文の一部を訂正・加筆しました。

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ワタルとサキさんが住んでるはずの中野坂上について

ちょっとした用事で中野坂上に行ってきた。

中野坂上とはどんなところか?ということをここに記録する。

ハヤテのごとく!での重要サブキャラの橘ワタルと貴嶋サキが住んでるところが中野坂上なのだ。たぶん畑先生もこの辺に住んでいるんではないかと私は疑っている。後者に関しては根拠はないのだが。

中野坂上に行った事が無い人はこの記事で妄想を膨らませておくといいのだ。


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企業戦記マジカル☆デストロイ 第三回

発見した不明瞭な会計処理について、三途ノ川社長に直接問いただそうとするブリトニー。

だが、三途ノ川の応対は、かつてブリトニーの良き先輩であった頃の彼とは異なっていた。彼は早めにブリトニーとの会話を切り上げようとしていた。
そこに食い下がろうとするブリトニー…

三途ノ川の態度に違和感を感じたブリトニーは三途ノ川の写真を調べる…そして、ブリトニーはとある写真を発見する。

三途ノ川の左肘には、青い、皮下出血の痕があった。


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動画研究部で綾崎ハヤテ・ザ・ムービーってそのうちやらないでしょうか

今回は生徒会の三人組が自分の部活動にハヤテたちを招くという場面が描かれました。

それにしても、動画研究部…動画研究部ですか。映画は作れない、という。

映画…映画を実際に作ろうとすると機材や人手や役者が圧倒的に足りないという現実に直面するのですが、まあそんなことは置いといて。

映画。作ったらいいのに。作って欲しいですよ。普通の映画がダメでも、ドキュメンタリームービーを作ることは出来そうですね。「ある執事の一日」みたいな。固定カメラの映像を編集すれば出来るでしょうし。

『三千院家に仕える執事・綾崎ハヤテの一日は馨しい一杯の紅茶から始まる…』みたいな。
…いや、本編によると、ハヤテたち三千院家の使用人の朝ごはんは和食だったみたいですね。
日によるのでしょうけど。

カメラは耽美なまでにも執拗にハヤテの姿を追い続けるのですよ。ハヤテの身支度、ハヤテの登校、ハヤテの受講風景、ハヤテの仕事風景、そしてハヤテの成長と涙。

クライマックスでは、
『おや…綾崎ハヤテのようすが…』
『おめでとう!綾崎ハヤテは綾崎ハーマイオニーへと進化した!』みたいな展開に。

その後、進化したハーマイオニーと執事のマスター(そのまんまですが)、三千院ナギの冒険が始まるんですよ。各地の執事ジムにいるジムのマスターと執事勝負でえんやらや、ああどっこいせ、みたいな。執事勝負ってなんや。

151人も執事がいたらいやだなあ。私は小学生の時に赤のやつをやっただけなんですが今って151種類どころでなく種類が増えてるらしいですね。

そしてYou Tobeって You To Beって意味なんですか?だとすれば意訳すれば大体『成し遂げる君』でしょうか。
違ってますか?うーんしっくりこない。

To beの用法といえば確か『ヨウカイギメちゃん』と覚えるのでしたっけ。予定・運命・可能・意図・義務・命令、この六つの用法があるのだったっけか。うろ覚え度マックスなのですが。これのうちどれに当てはまるのか良く分かりませんのですが。運命?『運命の君』なのか?

運命とは抗えないものなのか…運命の流れを遡ることは可能なのか…ああハヤテよ嘆けるか怒れるか、はた黙せるか。みたいなストーリーが背後にはありそうですね。いや、無いか。なんか可愛い女の子の動画をとる目的で作られた部のようだし…しかし牧村さんはそんな趣味があったんですか…

さらに綾崎ハヤ子。ハヤ子…
ハーマイオニーじゃないのか。ハーマイオニーは陰の社会の人間なのか。道理で出現率が低いわけですね。
しかし改めて見るとなかなか凄い格好ですね。衆人環視の中。特にほぼ水平に張り出しているように見えるミニスカートが。走ったら中身が見えるような気がするんですが。

そして映像には声もあてているという。問題なのはそれが男声なのか、女声なのかだ。前者なら倒錯感が、女声ならかわいらしさがより重視されているということがはっきりするのですよ。どちらも一長一短があって捨てがたいですね。ハヤテは声変わりはしているのでしょうか。しているでしょうけど。でも声が高いとか。ううむ。

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ロボットと結婚することは法律上可能か 第3回 ~ロボットと人権~

前回までの内容:

ハヤテのごとく!に登場するえらいこと優秀な執事ロボット・13号。
彼が仮に人間的な愛の心情に目覚めて誰か(例えばナギやマリアやハヤテとか)と恋に落ち、
永遠の愛の契りを結ぼう…としたときに、市役所に婚姻届を出したところで結婚できるのか?

…ということを検討してきたわけだが、まずロボットである13号にはそもそも権利義務の主体となるための資格、『権利能力』が無いことが問題となることが分かった。

ドラえもんもあと100年ぐらいで登場しようというこの輝かしい21世紀、日本の民法はこんな旧時代的なことでいいのか?
同性婚の可否だとかそんなことで家族法の進展は留まっていていいのか?
思い切って無生物との婚姻ぐらい認めてやってはくれないだろうか。
具体的にはロボットと人間の婚姻を認めることはできないだろうか。

そして、もしもロボットとの婚姻を認めようとすればどのような立法が必要なのか?

…というわけで、今回は立法的観点からロボットとの婚姻を可能にするために、まず『人でないものを人権の享有主体とする立法』について検討してみよう。

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テーマ:同性愛・両性愛 - ジャンル:恋愛

ロボットと結婚することは法律上可能か第2回 ~ロボットと権利能力~

前回の内容:

『ハヤテのごとく!』に登場する執事ロボット13号。
13号はチューリングテストにあっさり合格しそうなAIを備えているのだが、ここで問題提起。

仮に13号が誰かと結婚したいと思ったとき、現在の法律は13号の婚姻を認めるのか?
さらには、13号が結婚しようとしたらどのような立法が必要なのか?

…以上のことについて、今回はまずロボットについて、法律行為を為す際に不可欠な『権利能力』概念を検討する。

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13号はナギと結婚できるのか:ロボとの結婚における法律上の問題について

今週号のハヤテのごとく!において注目されていた、新型執事ロボット13号とナギとの関係の進展…はごくあっさりとしたもので終わった。

一部には、今回のオチを予想して
『13号はナギお気に入りの執事の座を狙ってハヤテと真っ向勝負をする』だとか、
『ハヤテは嫉妬に燃えて13号と決闘、13号はハヤテに敗北して爆死する』だとか、
『13号はほぼ人間と同じような思考ルーチンを持っているため、ナギに惚れたのだ。
 13号の目標はナギを自分のものとすることなのだ』とか、
さらに進んで
『13号はナギと結婚して三千院家の財産を我が物にしようとしている』だとかいったものがあったのだが…
結局、どれも外れてしまった。
13号はナギが一番好きなのはハヤテだ、ということに気づいてすっぱりあきらめたらしい。
13号は結構イイ奴のようだ。

さて、私は個人的に『13号は三千院家の財産を狙っている』という夢も希望も無いようなオチを予想していたのだが、前述のとおり外れてしまった。

別に外れたからって何かペナルティがあるわけでもないのだが、これはいい機会なので、次回から『法律上、人はロボットと婚姻できるのか?』ということを考えてみよう。

加えて、今回のシリーズでは『どのような立法によって法律上、人はロボットと婚姻できるようになるのか』ということも考えるとしよう。

ポイントとなりそうなのは『婚姻には実質的要件として婚姻意思を必要とする』ということだろう。
これを読んでいる人も、このことについて考えてみて欲しい。


いつか執事ロボが面倒な家事を一切やってくれて人間がアハハウフフと笑い呆けていても暮らせるような時代が来ますように…と願いつつ。


次回『ロボットの意思とは』、乞うご期待!

テーマ:ハヤテのごとく! - ジャンル:アニメ・コミック

ナギの漫画の方向性と『乙女ロードへの興味』:漫画嗜好変化の前兆か?

さて、賢明な諸君なら憶えておいでであろう。
マジカル☆デストロイの作者とは?勿論、三千院ナギ先生だ!

ところが。
三千院ナギ先生に関する、とある気になる情報が今回のハヤテのごとく!で提供された。
それは何か。

実は三千院ナギ先生が近頃乙女ロードなんぞに興味を持ち始めてSPをして買い物に行かしめているというのだ。


我々はこれをどう解釈すればいいのか。

いうまでもなく、作品の解釈に際してその創作者の意図というのは何よりも無視してはならないものであって、その意図如何で作品の解釈、位置づけその他が変わりうるものなのだ。
そこで、改めて三千院ナギ先生の今までのマジカル☆デストロイを読み返してみる。

どうだろうか。

三千院ナギ先生は13歳の女性であり、なおかつええとこのお嬢様であるにしてはなんとも野生的、そしてマニッシュ!漫画全体に溢れるような不条理に我々は人生の限りない無意味さを感じさせられ、ニーチェの永劫回帰に関する言説を思い起こしてしまう。
さらには、慄然として最早マジカル☆デストロイについての論評をすることは不可能ではないかとすら思わせられてしまう。

なんて破壊力。これこそ私の求めていたものだった!
そこには耽美であるとか規範性であるとか、旧来の道徳観による位置づけが不可能とされるほどの重大な規範からの逸脱(それは規範そのものに反しているというよりも、むしろ新しい規範を創設しようとする試みにも近いといいうるものだっただろう!)なんて全てチンケなお遊びでしかないようにすら、思えた…

だが、なんてこったい!!
ナギが乙女ロードに興味を示し始めたのか!



そーかナギも年頃の女の子だったのか。
乙女ロードか。BLが読みたい年頃なのか。
ああこんちくしょう。

…私は別にナギがボーイズラブに興味を持ち出したことについて憤っているのではない。
むしろ、喜んでいるのだ。

そうなのだ!私も好きだよボーイズラブ。
大好きだよ女装ハヤテ。
(たぶん)みんな大好きなのだ。女の子みたいな男の子。
可愛い男の子なんてファンタジーの中の存在だとかいう、まあそんなロマンの無い言葉にはとりあえず耳をふさいで。

『世紀末伝説マジカル☆デストロイ』にボーイズラブ展開が出てくる日は来るのだろうか…

そうなったらちょっと…
見たい。

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私立探偵ブリトニー  ~産業スパイはなかなか死なない!の巻~

前回までのあらすじ

事務所の家賃も払えないほど事件に恵まれない私立探偵のブリトニーは、存在しているだけで事件に出会うような小学生探偵や高校生探偵に感化されて、自分から事件に巻き込まれに五反田の街をうろつきだした。


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私立探偵ブリトニー ~コナン君見たいに仕事が欲しい!の巻~

探偵にもピンからキリまである。


イギリスなんかじゃ探偵も結構なもんだそうじゃないか。
ベイカーストリートに事務所を構え、相棒のヤブ医者とのんべんだらりとやってても食ってける奴、ま、これは別格だろうな。それに、ベイカーストリートってのはスラムみたいなところらしいし。
日本でも結構探偵っているらしいな。
なぜかやたらと事件に鉢合わせる頭脳は大人の一見クソ生意気な小学生な奴、
ジジイの七光りとこれまたこいつが犯人なんじゃねえかってくらい事件に縁ある高校生な奴、
その他にも、三毛猫が探偵だったり幽霊が探偵だったり、時刻表を駆使したり判事だったり。
まったく探偵ってのは奥が深いなあ、本当。

かく言う俺も探偵…私立探偵だ。
『私立』探偵ってのは、私立の探偵も警察の刑事も英語では『ディテクティブ』って言って、聞いた感じじゃおんなじだから区別するために片っ方にプライベート、の肩書きをくっつけてる、てのがその由来らしい。

さあ、『プライベート』の悲しさ、親方日の丸の公務員な『刑事』とは違って、俺は収入が一貫しやしねえ…ああ、まいったまいった。
このところ仕事にもあぶれてる。
ボロいビルの一室に事務所を構えたはいいが、事務所の電話はホコリで白くなっちまった…
元は黒電話だったんだがなあ…

早いとこいい仕事でも見つけなきゃ今月の事務所の家賃も払えやしねえ。
これも俺がコナン君や金田一君のようにはそうそう事件にめぐり合わせないからってわけで…

ん、そうか!

そういやあそうじゃねえか。織田裕二だって『事件は現場でおきてるんだ』っつってたし、コナン君や金田一君だって、どっかのペンションにいくと必ずといっていいほど事件に遭遇してるからな。

何で気づかなかったんだろう!
探偵の仕事は事務所で待ってても転がり込んじゃくれねえんだ。
自分で探しにいこう!
書を捨てよ、街に出よう…てか。

さて、俺は事務所の電話を留守電モードに…したくても留守電モードがなかったんだが、まあどうせ電話なんてかかっちゃこねえか…そしてガタピシのドアを開け、国道一号線が まん前に見えるホコリっぽいビルから西日を眺め…秋の五反田へと歩き出した。

金の稼げるような事件を求めて!


…以上、これがいっかな事務所に寄り付かない探偵として有名になった私立探偵ブリトニー、つまり俺、がその事件を求めて西へ東へ、とウロウロしだしたそもそものはじまりだった…

テーマ:週間少年サンデー全般 - ジャンル:アニメ・コミック

誘拐既遂犯綾崎ハヤテへの弁護 まとめ

先日取り上げてちょっとだけ議論を巻き起こした、
誘拐犯としてのハヤテへの分析。

今回は今までの記事をまとめて、自分が見やすいようにしてみた。


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テーマ:ハヤテのごとく! - ジャンル:アニメ・コミック

企業戦記マジカル☆デストロイ 第二回

ブリトニーは帳簿上不明瞭になっていた砂糖8千tの行方を追っていた。

いつしか、ブリトニーにはその「不明瞭」とは、デタラメな経理処理によるものではなく、何者かの計画的な作為によるものであるということが感じられてきた。しかも、それはマジカル☆デストロイ社全体の経理処理を少しずつ、かつ巧妙に操作しなくてはならないものだった。

組織的な隠蔽工作が予想される。

「だが…」

しかし、ブリトニーは気づいた。


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機械のハヤテって機械のかわうそとは違うの?の巻

さて、今回のハヤテ君はなんだか見ててかわいそうになるぐらいでしたね。
ハヤテの「必要にされる僕」というアイデンティティの崩壊ですよ。
人間は誰しも、自分が必要とされなくなるということに危機感を抱いているのです!(かってに改蔵風に)

地元型商店街は大型スーパーの進出で自分たちの店が必要とされなくなることを恐怖し!
ドラえもんの作者(片方)は漫画を描ける転校生(もう一方)の出現にうろたえ!
四番打者だって大型新人の入団にはおびえているはずなのです!

それにしても今回の13号ほどに有能なロボットが出てきたら人間って何をすればいいのか。かつてチェスの世界王者がスーパーコンピューターに負けたみたいな人間特有のこの炸裂するやるせなさをどこにぶつければいいのか。ちょっと考えてみましょう。

まず、家事についてはほとんど完璧にこなすらしいのでまず主婦って働かなくてもいいことになりますね。主婦がみのもんたに「主人が家事を負担してくれないんです…」とか不満をぶつけることもなくなるでしょう。そもそも家事がないんだから。ああジェンダーイコールソサエティーのつまらなさよ。私はドロドロした世界が結構好きなんですが。夫婦不和は犬も食わないって言うから私は犬以下の悪食なのか。

マッサージも出来るんだからマッサージチェアとかも形無しですよ。リフレクソロジー店もつぶれるでしょうね。なんてこったい英国式リフレクソロジー。
一般事務作業とかも余裕でこなしそうなので、OLはみんなクビですね。ああ窓際族。窓際族の存在すら抹消しそうですねこのロボは。
まんがの品評眼もあるのでたぶん本屋の店員も立場が危ういですよ。本屋の本の入れ替えも店番もPOP書きも全部このロボがやってくれることでしょう。もうブックオフに行ってもあの奇妙な明るさの中に沈殿して鬱々しなくてもいいのですよ。

さらには、ゲームまでできるという。ゲームは誰かが代わりにやってくれたら別にしなくてもいいってものじゃないでしょうけれど。遊びだし。レベル上げはやってくれそうですね。その点は便利なのか。しかしそれって製作者の意図に反している気がする。「レベル上げも含めてゲームだろ?」みたいなことを言われたら反論できない。

…さて、ありとあらゆることを人間の代わりにロボットがやってくれるようになったら、人間は何をすればいいのか?

たぶん、その答えは「何にもしなくていい」なのでしょうね。人間は趣味的な活動しか、やらなくなることでしょう。なんてったって、労働はロボットが無感情にこなしてくれるんだし。人間に必要な資源も食べ物もインフラ整備もロボットがどうにかしてくれるんでしょうから。
おそらく、一時的に失業者の急増によって社会に不安が巻き起こるのでしょうが、そもそも産業自体が労働者を必要としなくても十分な福利を生み出せるような構造になり、人間はみな失業者であっても問題とならなくなるのでしょうね。

だとすれば、人間は何をするのか。どんなものが趣味になりうるのか。

将棋やチェスは既に人間よりもロボットのほうが強いらしいからそういうことを趣味にするってつまんなくなるんじゃないでしょうか。ゲームってのはCPUとやってもあまり面白くないってもので。どれだけやってもCPUと勝てないようなものをやるのってなんだか自分の無力感を感じさせられてしまいますよね。

釣りとかはどうでしょうか。釣りは食べ物を得ることじゃなくて釣り自体を楽しんでいるんだから趣味になりうるでしょうね。同様に、園芸なんかも趣味として成立しうるでしょう。

で、私はやはりこの点を挙げておきたいのです。
真に創作的な活動はやはりロボットには無理なのではないか、ということです。
例えば、漫画において何が面白いのか、ということは個人の価値判断によるものであって、一定のアルゴリズムから一義的に算出されるものではないでしょう。だとすれば、ロボットには独創的な漫画って描けないのではないか…と思うのですが。すると22世紀にも漫画家は必要な職業として残るんでしょうね。

もっとも、13号はナギに漫画の描き方をアドバイスしていますが…
うーん。どうなんでしょう。私の仮説は無理があったのでしょうか。
いくつかの価値観に対応した選択的なアルゴリズムを構築すればある意味独創性のある漫画を描くロボットが出現しうるのでしょうか?

次回のハヤテのごとく!が『ハヤテ君が13号のアドバイスによるものよりもナギの漫画を面白くする』みたいなのだったらある意味面白いですね。いや、面白くないかもしれませんが。

ちなみに吉田戦車の『伝染るんです』では「今までよりも22パーセント良くなる機械」で生身のかわうそが機械のかわうそに打ち勝ってかわうそのアイデンティティを取り戻していましたが…「ハヤテ君が今までよりも良くなる機械」っていうのを考えたら…一気にハヤテのごとく!が不条理ギャグの世界に!やはり機械の体は禁断の技術だったのか!

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誘拐既遂犯綾崎ハヤテへの弁護 結論として「無罪」

さて、前回に続いて今回も元気にハヤテの弁護をつづけよう。

前回の『ハヤテの行為はそもそも誘拐を構成しない』説は若干の無理があるようだったので、今日はより現実的な論理を構築しよう。
とにかく家裁での無罪や検察での不起訴という結論にもちこむのだ。

誘拐犯が、被誘拐者を公訴が提起される前に安全な場所に解放した場合、刑が減軽される(228条の2)。ハヤテはどうも、電話で身代金をせしめるのに失敗して以降、誘拐をあきらめたように見える。これはナギの解放に当たるだろうか?
ここで、刑法228条の2では、“安全な場所”に解放することが求められているのだが、ハヤテの行為は“安全な場所での解放”といえるだろううか、ということが問題になる。

まず、“解放”とは、被誘拐者に対する実力的支配を解くことを言うが、ハヤテはマリアさんからナギの所在を聞かれてシラを切っている(マリアさんは『マリア』とは呼びにくいなあ…)。これはナギへの実力的支配の一環といえるだろう。しかし、その後ハヤテは命をかけてナギを助けに行ったりしているのだから、ハヤテの実力的支配はマリアさんに話しかけられてからナギを助けに行くまでの間に終結しており、解放が行われたと考えるべきだろう。

漫画のストーリーの中からその実力的支配の終了時期を決定できる場面を挙げるとすれば、ハヤテがマリアさんに『実は!!』といいかけた場面が挙げられるだろう。コミックス第1巻44ページ第2コマ目である。このコマの後、ハヤテはマリアさんに自分の誘拐行為について自白し、マリアさんにナギを引き渡そうとしたことが考えられるためである。被誘拐者の保護者への引渡しは解放にあたるとされている。
実際にはナギが別の誘拐犯に誘拐されてしまったため、この時点では引渡しは出来なかったわけだが、ハヤテによるナギへの実力的支配が場所の移転を伴うものでなかったことに鑑みれば、ナギの解放もまた、主観的要素の比重を重く見てもよいだろう。ハヤテのこの行為を解放のメルクマールとしてもよいのではないだろうか。
さらに、その後ナギを助けにいくため命をかけて誘拐犯を追ったりしているのだから、既にこの時点には少なくとも実力的支配もその意思もなくなっているとして問題は無いだろう。

次に、ナギを“安全な場所”に解放したかどうかが問題になる。ここで、ナギがその後実際に誘拐されていることから、安全について問題があったともいえるかもしれない。しかし、社会通念上、誘拐犯が解放した子供が、その直後に再び別の誘拐犯に誘拐されるとは考えにくく、やはりハヤテがナギを支配下に置こうとする意思を無くしたその時点(先述の具体例でいえば、マリアさんに自白をしようとした時点)で解放が安全な場所にて行われたものと考えていいだろう。通説も、「漠然とした抽象的危険」があっても、安全性に欠けるとすべきでない、としている。
よって、ハヤテは安全な場所での解放を行ったと認められ、刑が軽くなることと思われる。

さて、この主張でめでたくハヤテの刑が減軽されたとしても、まだ安心はできない。なんといっても、身代金目的誘拐罪はかなり罪が重いのだ。ここは、かなり寛大な情状酌量を求めることにしよう。

なお、参考のために述べれば、犯罪の情状とは、その犯罪に関する一切の情状を言い、犯罪事態の外部的事情及び内部的事情のほか、犯罪後における行為者の後悔、被害の弁償などの条項の全てを含む概念である。

そして、ハヤテほど情状酌量の余地のある犯罪者も少ないだろう。思いつくままあげてみると、
・問題のある家庭に育った。
・極貧にあった。
・親に売られた。
・行くあてもなく、絶望していた。
・初犯であった。
・衝動的な犯行であり、計画性は乏しい。
・犯行に及んだことを後悔している。
・法益侵害の度合いが、きわめて軽い。
・被害者(ナギ)を、命を懸けて守ったこともある。
・被害者は、被害を認識していない。
・犯行後、更正している。
こんなに酌量の余地があるのは珍しいってほど、減軽事由があるといえるだろう…

おそらく、仮にハヤテの犯行が明らかとなって、さらに検察に送られてしまっても、こんな人間を起訴する検察官もいないはずだ。万が一、検察で可罰的違法性が認められても、少年でもあることだし、裁判段階では可罰的違法性は無い、として無罪となることだろう。

だから、結論としてはハヤテが裁判で有罪とされることはない、という論理が構築できたことになる。
いやあよかったよかった。ファンとしてうれしい。
無駄に心配をしていたともいえるだろうが。

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