ナカノブひとりぼっち

(日常はあっけなくデストロイされちまった!)

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日本海溝編ってのにちょっと考えがなくもない

BSを拝見するに、畑先生はいつも随分お忙しいようですね。それにしても最近ずっと忙しそうにされている気が。祖母がよく「人間は忙しいほうが素敵なんよ」と言っていたので、たぶんそれは結構なことなのだと思います。暇がうなるほどあるという日々を送っている自分の生き方に若干の疑問を覚えつつある今日このごろですよ。ああ、私もギリシャとか行きたい…いいなあ二次元の存在は三次元空間における距離をものともせずに移動できて!私なんて、東京から大阪に帰省するにも青春18切符を乗り継いで11時間かけて帰ったりしているのでした…それはそれで楽しい旅行だったかもしれませんけれども。朝5時くらいの早い電車には東京から静岡まで乗り換えなしでいける電車もあるんですね。びっくりですよ。

それはそうと。やはりハヤテ達はギリシャに行くんですな…いいですね、ギリシャ。私の友人にもトルコ・ギリシャに旅行に行った人がいました。お土産にトルコ製の球体関節人形とプラトンの『饗宴』のギリシャ語の本をもらいましたよ。ギリシャ語読めないのに…はっ、しかしナギとかマリアさんは、どうもギリシャに滞在していた期間が長そうな雰囲気を漂わせているので、ギリシャ語も読めるのかもしれませんね。ここは一つ、ハヤテ達もギリシャ古典的にプラトニックな人生を送ってほしいところですな。

宇宙や日本海溝への旅も何だか楽しそうですが…よく考えたら、ナギは一回宇宙に連れて行かれそうになっているのでこりごりだったのかもしれませんな。では日本海溝では?

「どうですかお嬢様、しんかい6500の乗りこごちは?」
「うむ、学術研究用の有人深海探査船にしてはなかなかなのだ!」
「フフ、元々しんかい6500はパイロット二人と学者一人が乗るための船ですけど、ナギはまだまだちっちゃいですからね」
「ちっちゃいゆうなあ!」
「ははは…あ、お嬢様!マリンスノーですよ…キレーですね…」
「マリンスノーは水中プランクトンの死骸などが集まって、やがて海底に堆積していくものですよ…地球上の生命がエコシステムの一環としてその終焉を迎えている様を見ることができるなんて…」
「うむ、こういうのを見ると地球資源の貴重さを改めて思い知らされるな…」
「そうですね…あ、カイレイツノナシオハラエビですよ、お嬢様!」
「ほう…」
「まあ、素敵!あ、あっちにはメルルーサが!」

私はカイレイツノナシオハラエビってのが本当に素敵なものなのか全く知らずにこの文章を書いていますが。メルルーサに関しては『食べられる』ということしか知りません。…なんかリアクションに困る教育漫画みたいになりそうな気がするので、やっぱりハヤテのごとく!日本海溝編はやめたほうがいいのかもしれませんね。西沢さんたちが出てくる気配がまったくしないし…

「あ、アクアラングが!こ…これは…西沢さんのもの!?まさか生身で深海6000メートルまでもぐってきたなんて!」
「は…ハヤテくーん!これが…愛の…力なのかな…(コーホー)!」
とかだったらなんか違う漫画みたいだし…

追伸:
今度新宿でサイン会があるんですね…サンデー誌上での情報やらHPやらを見るに、なんか以前までのサイン会のあったワールドホビーフェアとは違って、おっきいお姉さんが浮きそうな子供向けばっかりのイベントとは限らなそうな雰囲気がしている(実際にはどうかわかりませんが…イベントには対象年齢表示もR指定もありませんしね…)ので、サイン会に応募すればよかったと今更ながら後悔しているところですよ。もうすぐサキさんと同い年だしやめたほうがいいのかと思ってしまいましたが、一度きりの人生、世間とかをかなぐり捨てたロックなアウトロー腐女子として今後は生きていこうと思う今日この頃。てやんでえべらぼうめ攻め。にんにん。
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テーマ:ハヤテのごとく! - ジャンル:アニメ・コミック

2008年度上半期、中延文学会で選ばれた映画たち

やあ、皆さん、お盆も過ぎましたがいかがお過ごしでしょうか。

前回の記事は2008年度上半期に読まれた漫画を紹介するものでしたが、今回は一つ2008年度上半期に見られた映画を紹介することにしましょう。

選出基準は
①見た甲斐があったこと:
(面白い・面白くない、だけではなく、つまらなくても考えさせられた、などなら選ばれる)
②2008年上半期に見られたこと:
(公開年などは一切関係なし。会員によって2008年上半期に見られたこと)
の二点のみ。

そして、以下の映画たちが実際に『見るべき映画』に指定されたのでした。
この文章をお読みの皆さんも、是非ビデオ屋や映画館で見てみよう探してみよう。

①アメリカン・ギャングスター
この映画の面白さは、『まる見えテレビ特捜部』の刑事物をすごくした感じ、といえばわかってもらえるだろうか?

大々的に麻薬を扱うギャングが存在する町。彼らを相手に捜査している刑事が主役だろう、いちおう。ギャングのトップが主役だという考え方もあるだろうけれど、私はそのように鑑賞していた。

時代はベトナム戦争期。描かれるギャングのトップは、今までイタリア系マフィアが成し遂げられなかったような麻薬の低価格高品質化を可能にする麻薬流通機構を整備したことで、その存在感をいや増していた…なんだかこう書くと麻薬とかではなくて電化製品か何かを扱っている企業家の話みたいだなあ。いや、その一面は確かにあるだろう。映画のはじめの方では、まさにそのような形で話が進む。演じるのは、デンゼル・ワシントン。

対するのは麻薬対策班の警察官。演じるのはラッセル・クロウ(私はラッセル・クロウが大好きなんだ!)。麻薬対策に奮闘する日々だが、同僚の警察官は麻薬の取引現場を見逃して賄賂を取ったり、押収された麻薬を売ったり、警察側の腐敗もひどい。ラッセル・クロウ演じる警察官は警察に失望してロースクールに行ったりもしているのだが…だんだんと警察の方に風向きが変わってくる。

デンゼル・ワシントンの作った組織はあまりにも大きくなりすぎたのだ。組織は掌握しきれないようになって、ほころびができてくる。また、ラッセル・クロウの捜査も進展する。そして警察側が解明する麻薬の流通経路!…この辺りが『まる見えテレビ特捜部』を凄くした感じ、と表現した部分にあたる。

で、それまでの地道ぃなラッセル・クロウの努力が実ってギャングの麻薬精製現場に乗り込むんだが、そのシーンのスカッとする程といったら言葉では表現できないほどなのだ。映画最初のラッセル・クロウがハンマーを持ってドアをぶち破り、犯罪者を逮捕するシーンにも強いインパクトがあったが、麻薬精製現場にショットガンを持って乗り込むシーンも凄いよ。マシンガンをバンバン撃つんじゃなくて鈍いけれども確実な破壊力のこもった発砲音がドン、ドン、と響くってのはかっこよかったなあー。

警察物やギャング物のどちらかが好きならこの映画は確実に面白いはずだ。けっこう長い映画なのだけれど、退屈はしないよ。

なお、この映画を見て興味をもたれた方は、イタリアのギャングについて書かれた本、Roberto Savianoの『死都ゴモラ』(河出書房、2008年)を読まれるといいと思う。イタリアン・マフィアの組織とそれに関わる人々が描かれたルポタージュなどだ。この本の筆者はこの著作のためにマフィアに追われることになったそうだ。ヨーロッパ各国でベストセラーになったんだけれど、日本ではあまり売れていないのかな?

②バンテージ・ポイント
アメリカ大統領を狙ったテロ、その一つの事件を幾人もの視点(バンテージ・ポイント)をつなぎ合わせて全体のドラマが構成されている。あまり長い映画ではない。

観客は、事件の目撃者の視点を一つ一つ眺めていくことによって、事件の全貌を知ることになる…その過程はきわめてエキサイティングだ。

扱っている主題は政治的に重要なものなのかもしれないが、その点はたぶん捨象して構わないと思う。日本の観客にはあまり関係ないだろう、たぶん。

この映画で面白いのは『事件がちょっとずつ(しかし観客の予想をうまく裏切っていく形で)明らかになっていく、その過程』と『幾人もの行動によって事件が収束に向かっていくその様』だろうか。これらの面白いポイントはこの映画の特殊な構成(どういう構成かは見ればわかる)によるところが大きく、この映画の形式を真似しようと思っても、それはなかなか難しいだろう。

たぶん、もうDVDが出ているはずだから、今は見やすい時期なんじゃないだろうか。

③ミュンヘン
北京オリンピック開幕中だねっということで選ばれた。
タイトルからするとミュンヘンオリンピックが中心になる話なのか、と思われたのだが、実際には『ミュンヘンオリンピックの選手村で起こったイスラエルの選手へのテロ事件』に対し、テロ組織に報復するため、活動する…具体的には爆弾を仕掛けたりする…人たちの話。

テロへの報復、というと幾分ぼやかされた印象だが、実際にやることはテロ実行犯を自らの手を以ての暗殺。実行犯を探し出し、ピストルで撃ったり、電話に爆弾を仕掛けたり。
だから、やることは実際、血なまぐさく、しかも非合法だ。

だがこの映画を通して印象に残るのは、報復グループ(…彼らを何と言えばいいのだろう?…事実上、モサドの下部組織のような扱いだが、モサドとは無関係であることが強調され、正体はあまりはっきりしたものではなかった)の5,6人、彼らが朝食を摂っているシーンだ。彼らはごく普通のサラリーマンがそこに居合わせたかのような雰囲気をもって朝食を摂り、ジョークを交わす。

その自然さと報復行為の奇妙な温度差がこの映画の観客に独特の印象を与えていた。

④ダークナイト
まだこの映画は公開中だと思う…まだこの映画を見ていない人はとっとと見に行くべきだ。それぐらい面白かった。

私は元々バットマンにはあまり興味はありはしなかった。いや、ダークナイトを既に見た今もあんまりバットマンそのものには興味はないかもしれない。だが、この映画は確実に面白い!この映画はバットマン映画ではあるが、何か既存のバットマン映画というものを超えた形容がなされるべきで、しかしその形容が今の私には見つからないのが残念だ。

この映画で描かれているのはたっぷりのアクション…例えばバットモービルの力強さ、バットマンのタフさ!それらはハリウッドアクション映画の美点を集めたような素晴らしさであることはまちがいない…に加えて、バットマンの存在への問い、だ。

バットマンは公務員ではない。単なる自警市民だ。彼が行使する実力は、公権力による合法的な力の行使ではなく、向けられる相手は悪人であっても、非合法のものでしかない。なんでか警察とか検察とかに協力してはいるけれど。

そんなバットマンと対置されるのが、検察官。バットマンの舞台、ゴッサムシティでは検察官って公選されるらしい。皆に支持され、そして組織犯罪を追及し、犯罪組織のトップを逮捕する…彼は合法的な方法で悪を取り除く、まさに「ホワイトナイト」だ。

バットマンや検察官、警察官たちをあざ笑うかのように悪事を行うジョーカーもなかなか良かった。怪演というべきか。立ち上る存在感、圧倒的な凶悪さ。映画に登場する悪役でもここまで純粋に悪役であった存在というのはなかなかないのではないだろうか。

詳しくはストーリーにつながるので書けないが、その悪にバットマンや検察官、警察官たちが翻弄され、また、困難な状況に陥らされる様は観客を飽きさせない。この映画は152分もある。ただ長いのではなく、その内容は充実しているが、退屈する人はいないだろう。

そして、この映画の印象的なエンディング…
観客にこの映画の余韻を程よく残し、かつ心に正義の炎を燃やして、感動的だった。

是非この映画を多くの見て欲しい。できれば映画館で。

⑤崖の上のポニョ
ストーリーは、なんか一言では言いがたい。また、ストーリーはそもそも重要なものではないような気すらしてきた。あまりにもつじつまを合わせようとしたり常識的に考えようとしたりすれば混乱するような話ばかりだった。だが、それは決してこの映画がつまらなかったということではない。

この映画が面白かった理由は、この映画の美術的な面があまりにも素晴らしかったからだ。ダイナミックに動く海の波、生き物、乗り物、人々。子供も女性も老人も魅力的だ。

音楽もなかなか良かった。中盤、なんだかマーラーだかワーグナーだかの音楽のような独特の(日本映画の音楽にはなかなか無いタイプの音楽というべきだろうか)が流れるシーンがあったのだが、それがポニョの本名『ブリュンヒルデ』がワーグナーと関係あるとか無いとか、一部では言われているらしいが…

でも、私にはもはやそんなことはどうでもいいことのように思えた。

眼前に展開する光景が美しく、また、人々がけっこうなエンディングを迎える…それだけでいいのではないか?
この映画の中で大津波が起こるのだが、人がたくさん死んだのだろうか、とか、インフラがどうなっているのか、とかはどうでもいいのだろう。一番重要なのは主人公である5歳の男の子のような子供にとって、眼前の光景がわくわくするものかどうか、ではないか。

宮崎監督が子供のために作った、と言っていたのはそういうことじゃないかな、と私は思っている。
…実際には子供はあんまり喜ばなかったらしいけど。
子供心にもあんまり良くわからない映画だったのかもしれない…

2008年度上半期、中延文学会で選ばれた漫画たち

中延文学会ではお盆前とお正月前に『他の人にも読んでほしい漫画』を選出し、他の会員に薦めあうという活動を行っている。各自のお盆休み、正月休みを有意義に過ごそうという趣旨ですね。

選出基準は
①読んだ甲斐があったこと:
(面白い・面白くない、だけではなく、つまらなくても考えさせられた、などなら選ばれる)
②2008年上半期に読まれたこと:
(出版年などは一切関係なし。会員によって2008年上半期に読まれたこと)
の二点のみ。

そして以下の漫画たちがお互いに薦めあわれたのであった。
この文章をお読みの皆様も是非、書店で探してみられるとよろしいかと思います。

①青山景『SWWEEET』(全二巻。2005年に一巻が発行されている)

双子の弟をめぐるトラウマに直面していく兄の話、といえばいいのだろうか?
主な登場人物は双子の兄(ススム)、双子の弟(ツトム)、そしておさなじみの女の子(さくら)。みんな14歳。物語の主軸は双子の弟、ツトム。10歳のときに姿を消し、12歳のときにススムの映った鏡の中に再び出現するようになった-そしてそれはススムだけが知っている。

ススムはおさなじみの女の子、さくらのことが好きで、守ってやりたいと思っているのだが、さくらは女子のグループから陰湿ないじめを受けていて、しかも好きなのはツトムの方…

ススムはさくらとの間で起こった事件から、ツトムのことについて思い悩み、またさくらもススムと共に、ツトム失踪のことを調べ始める。特にこの漫画で面白かったのは全二巻のうちの2巻目。真相が明らかになりつつあるその過程、そして真相に対してどのようにススムとさくらが向かい合っていくか、ということが描かれる部分だ。14歳が描かれる漫画だが、14歳のときに読んでおきたかったような気がしないでもないし、今だからこそわかるキャラクター達の悲しみがあるような気もする。

絵に関しては、一種の少女漫画風のようだが、線には強さがあり、すごく好きだ。

②石黒正数『ネムルバカ』(全一巻、2008年)

同じ女子寮の同じ部屋に住んでいる先輩と後輩。先輩はバンドをやっていてメジャーデビューをめざしている。それに対して、後輩の方は平凡でモラトリアムな大学生活を送っている…

その舞台設定は青春群像劇そのものって感じだが、先輩がメジャーデビューに近づいていく様、先輩と後輩が愛すべき馬鹿っぽい大学生活を送っている様(まさにこういうのをモラトリアムっていうんだろうな)、後輩とその男友達たち、そして外部者としての先輩、が何か悶々とした生活を送っている様は多くの人の共感を呼ぶような風景だったのではないだろうか。

そしてもちろん、ミステリ好きの石黒正数らしく、物語にはちょっとした仕掛けがあって、読者の読後感を爽やかにしたり面白さを持続させたりしてくれる。

石黒正数の『それでも町は廻っている』が好きだったらまずこの漫画を読んで後悔することは無いはず。

③尾玉なみえ『アイドル地獄変』(全一巻、2003年)

尾玉なみえは『アイドル地獄変』以前にも異彩を放つギャグマンガを描いていた…『少年エスパーねじめ』など。『純情パイン』に漂うへんなエロスはなかなか忘れがたい。だがしかし、『アイドル地獄変』の異彩っぷりはそれらの比ではない。この漫画の面白さを言語で説明するのは至難の業だが、あえてこの漫画の面白さをピックアップするとすればそれは言語的なセンスと異様なシチュエーション設定だろうか。『謎の生物も納得 つえはやっぱりがんこつ堂』というCMを撮るシーンなどは呼吸困難になるほど面白かった。

古賀亮一と石田靖とラーメンズを混ぜたらこんな感じになるだろうか?

④小箱とたん『スケッチブック』(現在4巻プラス出張版が出ている、2003年に第一巻)、小泉真理『ジンクホワイト』(単行本では全三巻、文庫では全一巻。2001年に第一巻)

前者『スケッチブック』は美術部もの。後者『ジンクホワイト』は美術大学を志望する受験生の話。どちらも美術に参加する高校生達の話。

『スケッチブック』で描かれる美術部の話は、ゆったりとした人々がゆったりと作品制作に勤しんでいる風景を描いたものだから、いうまでもなくのんびりとした空気がただよっている。舞台となっている九州の田舎(おそらく田舎…といっていいと思う)の風景や美術部の個性的な人々の姿がコメディックな空気をもたらしている。変なところに目をつけるキャラが多いのだが、それは作者の性格なのかな?

それとは対照的なのが『ジンクホワイト』だ。主人公は真木、高校二年生。美術系の大学を志望している。美術大学を受験する話なだけあって、その話の中心的な場面は画塾。画塾って何かというと、美術の実習をするための予備校みたいなところ。デッサンをしたり、油絵の練習をしたり…画塾のシーンが多いのは、主人公が高校生活に幻滅しているからでもあるようだ。真木は高校を途中で転校してくるのだが、美術科に入りたかったのに、入れられたのは転校生と素行の悪い生徒ばかりのクラス。せめて美術部に入ろうと思ったのに、自信のあった絵を教師に『マニュアル絵』だと言われたりしてへこむ…など、『スケッチブック』と比べるとあまりにも殺伐としている。

しかし、この漫画の面白さは、そうした殺伐を経て、絵の勉強に打ち込むようになった真木が、あるとき突然デッサンが取れるようになるシーンの持つ、パッとプレッシャーが取れて視界が開けたような爽やかさや、あるときはじっとり、あるときはいきいきして見える画塾での活動などを通して確実に成長しているさまにもあるだろう。

また、本作を語るにあたっては、真木の一年後輩で美術科に在籍している和田の存在を外せない。真木と和田との初々しい…という形容詞が妥当なのだろうか…ラブストーリーなどは、なんかこう、いかにも青春って感じだ。あれ、なんか『青春』って単語を使いすぎかな。青春に焦がれているのだろうか…でもいいや、実際、青春って感じなんだから。

⑤谷口ジロー『犬を飼う』(全一巻、単行本が出たのは1992年、文庫初版は2002年、2008年の第4刷が出ているので今は入手しやすいはず)

谷口ジローは近頃、『孤独のグルメ』でネット上の話題を呼んでいるが、孤独のグルメを執筆していたのとあまり時代の違わない1991年、ビッグコミックに掲載されたこの表題作のほうが、谷口ジローの真骨頂というか、面白さを如実に表している作品ではないだろうか。…そりゃ『孤独のグルメ』の方は原作つきなんだから当たり前といえば当たり前だけど。

1980年代において、谷口ジローの精緻な絵柄は、主にアクション色の強い劇画的な絵でより多く用いられていたが、1990年代ごろからは日常を描くための絵柄として活用されていて、そしてそれは成功していたようだ。

本作『犬を飼う』において、特にドラマティックな出来事は起こらない。派手さはない。起こることは、一言でいえば『老犬の死』だろうか。老犬が身体を悪くし、そして死ぬまでのことを描いた40ページの作品だ。ただ、克明で、リアリティがあり、それだけ読者の心に訴えかけるものが大きい。純粋に老犬の死について考えさせてくれる。

なお、本に収録されている話は暗いばかりの話ではなくて、猫を飼う話や親戚の中学生の女の子を預かる話など、明るくて希望のある話もある。少なくとも、『犬を飼う』の本を通読して、何も得るものが無かったという人はおそらくいないだろう。

⑥石塚真一『岳』(2005年第一巻が出てから、現在も連載中)

山登り中に遭難した人を救助する人の話。主人公は警察などの組織に属しない、たんなるボランティアとして救助を行っている。特筆すべきは、主人公はヒーロー的な身体能力などをもちあわせているが、救助が失敗に終わることもとても多いということだ。安易なヒーロー物ではない。

救助される人々は、様々な思いを抱えて山に登った人であり、陥る遭難のかたちにも様々なものがあり、助ける側にも様々なドラマがある。そのドラマを描いたものが本作だといっていいだろう。

それにしても…随分たくさんの人が救助される途中、あるいは救助される前に亡くなるように思える。その状況に耐えられる山岳救助ボランティアに携わる主人公の精神力は並大抵のものではないだろう。どのようにしてそのような精神の境地に立ったのか、などと考えると、より一層面白く本作が読めるかもしれない。


ほかにも、『帯をギュッとね!』の面白さを再発見したとか、『県立地球防衛軍』がやっぱり面白いとか、はたまた竹本泉はいい漫画家だとか…いろいろな声があった。読むべき漫画には数限りないようだが、全ての紹介をすることはできない…

ではみなさん、よいお休みを。

おそるべき君等の

皆様、お元気ですか。私はいちおうこないだから夏休みですよ。(テストとかで)落ちこんだりもしたけれど、私は元気です。…ハッ、こないだ見たポニョ映画を感染源として『ジブリ病』を発病してしまっている!ジブリ病がWHOが指定する疾病になったら私は不健康の烙印を押されてしまうことになりますな。釘宮病との二重罹患で保険金は出るのでしょうか。そういえば先週、畑先生はBSで『見に行くのは……九月……かな?』とおっしゃられていましたが、早期にポニョ型ジブリ病への抗体を獲得しておくのも悪くないかもしれないなあ、という映画でしたよ。少なくとも、美術的に素晴らしい映画でしたね。音楽はワーグナー風だという声もありましたね。

それにしても毎日暑いですね。夏本番ですね。今日は確か立秋ですけれども。『おそるべき君等の乳房夏来る』(西東三鬼)といった情景でしょうか。あるいはハヤテのごとく!的には『浴衣着て少女の乳房高からず』(高浜虚子)の方がぴったりくるかもしれません。…ああ下品になってしまった。成長したアーたんがけっこう胸があったように見えたのでこんな句が思い出されたのですよ。いや…想像するだにおそろしい仮定ですが…『あったように見える』のではなく…実際に『ある』のでしょうか。そのあたり、謎は深まるばかりですね…。

アーたんも成長するしハヤテも成長したのですね。過去編では幼かりし頃のハヤテが存分に見れて良かったですよ。私の過去編の印象としては①小さいハヤテがかわいい…さすがにその感情を直截的に伝えるとなんかの条例に抵触しそうな感じがするけれども②小さいハヤテが泣いてるのがあまりにもかわいそうすぎて心苦しい③ハヤテの両親はサンデー史上、いや漫画史上に残るほどの悪人で憎い。いたいけな子供を不幸な目に合わせるというのは何に比しても憎い④ハヤテの兄がかっこよさそう、といったところでしょうか。

特に②のハヤテの泣き顔は…私は男の子が泣いてるのを見るとなぜか心を強く揺さぶられるのですが、ハヤテの泣き顔からは、強くかつ真摯に悲しんでいるのが伝わってきて、胸がいっぱいになる何かがありますよ。今週号でいうと144ページは特にそうですね。139ページのハヤテの空漠とした悲しさがこもったような表情もそうですよ。だけど現代のハヤテにはナギやマリアさんがいてくれてよかったなあ。悪夢から目覚めたハヤテにナギが話しかけるシーンには何か救われるものがありましたね。

③の両親の悪質性については特に185話のエピソードが顕著でしたね。ハヤテの身体に傷があるとか、幼児虐待のおそれが示唆されているところもなんか気分が暗くなるタイプの悪さですよ。ハヤテが『よかった…やっぱり僕ががんばれば…父さんも母さんも変わっていくんだ!』と思っていたのに、そんなハヤテの気持ちを裏切ったりするところ、ハヤテがかわいそうすぎる。犯罪の内容はしみったれているわりに子供の心に回復の困難な傷をつけてヘラヘラしてるあたり、私が最も嫌いなタイプの悪人なのですが、この両親に対する一般の感情ってどんなもんなんでしょう。私にはピカレスク・ロマーン性のかけらもない悪さに思えますよ。人面獣心というか。更正の余地が皆無である、というか。被告人への科刑は極刑を措いて他に無い、というか。それにしてもハヤテの両親はなんであんなに白々しい感じの口調なんでしょうか…あとハヤテの父親がいつもちゃんと背広を着ているのはなぜなんでしょう。

④ハヤテの兄は見た感じ高校生ぐらいに見えるのですが、16歳ぐらいなのでしょうか。だったらけっこうハヤテの両親も年がいっているんでしょうか…ハヤテの兄は顔がはっきりと描かれていませんが、女顔じゃなさそうなので、今現在の女顔なハヤテとはあんまり似てないような感じですね。どっちかというと虎鉄に似ているような…はっ、また『兄の面影を求めて』とかBL的なフレーズが私の精神を不健全なほうに不健全なほうにと追い込んでいく!

『ヒーロー』だそうですが、何かしている人なんでしょうか。ああ私はヒーローっていうと『吼えろペン』とかしか思いつかない…

最後のページのアーたんの服を見て「暑そう」とか思ってしまいましたが、よく考えたらまだハヤテのごとく!時間は4月なんですね。春過ぎて夏来にけらし黒服のアーたん。もう成長したアーたんはアーたんと呼ぶべきではないんでしょうけれどもなんて呼んだらいいんでしょう。『アテネさん』か?なんかほのぼのファミリー四コマみたいな感じがなきにしもあらず。『アテネ』だけってのはなんか座りが悪いような。

ともあれ、次の週からまた現代のお話ですか…、あ、来週はサンデーが休みだから再来週からなのですか。260円だったのってこれからもずっとそうなのかな?くそうお盆休み。

テーマ:ハヤテのごとく! - ジャンル:アニメ・コミック

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