発見した不明瞭な会計処理について、三途ノ川社長に直接問いただそうとするブリトニー。
だが、三途ノ川の応対は、かつてブリトニーの良き先輩であった頃の彼とは異なっていた。彼は早めにブリトニーとの会話を切り上げようとしていた。
そこに食い下がろうとするブリトニー…
三途ノ川の態度に違和感を感じたブリトニーは三途ノ川の写真を調べる…そして、ブリトニーはとある写真を発見する。
三途ノ川の左肘には、青い、皮下出血の痕があった。
左肘の、青い、皮下出血の痕。
ブリトニーは予想はしていたものの、実際にそれを見てショックを隠しきれなかった。
左肘の皮下出血の痕、それは、継続的な注射の習慣を意味する。
多くの場合それはインシュリン注射などによるものだが、ブリトニーの推理では三途ノ川の肘についた痕はそのようなものではなかった。第一、三途ノ川は糖尿病などの疾患は抱えていなかったはずだ。
では、ブリトニーの推理したものとはなにか?
…覚醒剤だ。注射痕はそれによるものだったのだろう。
砂糖の経理粉飾はそれ自体で利益を得るものではない。だとすれば、砂糖の輸送に際して他の物品の密輸を行うことが出来たら?そして、そういった密輸において最も高い利益を上げられるものとは?答えは簡単だった。三途ノ川は砂糖の流通過程に覚醒剤を紛れ込ませることに成功したのだった。…そして、彼自身が雇い入れた会計士ブリトニーによって、その実情は暴かれてしまった。
ブリトニーは三途ノ川に電話で自身の推理、そしてその証拠を発見したことを伝えた。三途ノ川はそれを認めた。ブリトニーは三途ノ川と少し話し、そして電話を切った。
三途ノ川自身はいつ覚醒剤に手を出したのだろう?
覚醒剤を商品として扱いだしてからなのか、それとも自分自身が覚醒剤の服用者であったことから覚醒剤を扱いだしたのか、その如何はもはや三途ノ川自身に聞かなければ分からないだろう。
三途ノ川はなぜブリトニーを雇い入れたのか?三途ノ川の後輩だったブリトニーなら、覚醒剤の密輸が仮にばれたとしても、隠し通してくれると考えていたのかもしれない。
だが、ブリトニーは自身の仕事には私情を挟まない人間だった。
ブリトニーは三途ノ川の密輸及び覚醒剤使用、そしてマジカル☆デストロイ社の粉飾経理について告発した。
三途ノ川は責任者として、また、容疑者として、警察に連行された。かつての先輩を見つめるブリトニーの目は涙で潤んでいた。
そして、今では東京都内の拘置所が三途ノ川の居場所だ。
ブリトニーと三途ノ川はその後、一度だけ会う機会があった。裁判の証人として、ブリトニーは三途ノ川の裁判に呼ばれたのだった。
三途ノ川は自らの罪をほぼ全面的に認めていた…ただ、彼は一点だけ、完全に黙秘を続けていた。覚醒剤の入手先、そして売却先について。
ブリトニーはその後も社長の代わったマジカル☆デストロイ社にて会計事務を行っていたが、ある日、ブリトニーは三途ノ川からの手紙を彼の弁護士を通して受け取った。
そこには、こう書かれているだけだった。
『トゥウェルブ・ディメンション社:ジェネラル・デッド・ナイト』
この手紙は何を意味するのか…
ブリトニーは再び事件に巻き込まれることになるのだろうか…
(続く)