ナカノブひとりぼっち

(日常はあっけなくデストロイされちまった!)

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今回の騒動を経験した読者はどのような行動を取るべきなのか

たぶん、雷句誠の訴訟を取り巻く今回の騒動を関心を持って眺めている人はいくつかのタイプに分けられるだろう。

④出版業界全体に強い不満がある
③小学館全体に強い不満がある
②サンデーの編集者全般に強い不満がある
①サンデーの編集者の一部に強い不満がある
◎出版業界全体について不審を抱きつつある

…というのが主なところだろうか。

そして、ネット上に出てきているいくつかの意見を分類すれば、以下のようになるだろう。

雷句誠は、陳述書にあるように、『少年サンデーのみならず、(株)小学館そのものと今後仕事をしない』と言い切っているのだから、③だろう。

新條まゆは、少女コミックだけではなく別の雑誌に移籍することも拒絶していることから察するに、小学館全般に不信を抱いているようだから③だろう。

松永豊和は 『一歩まちがえばオレは奴らをぶっ殺していた!刑務所送りにされてしまうほど精神的に追い詰められていたんだ!!!』というほどなのだから、③だろうか。

朝目新聞は『個人的には、酷い編集者がいるらしいのは確かとして、それが編集部のうち何割かによって話が変わってくるかと考えます。月光条例、金剛番長等良い作品も出てきていますし、これでサンデーという雑誌全体がダメと判断されるのは勿体ない話です。無論裁判で決着が着くべき件ですし、批判されている編集者には猛省が必要だろうと思いますが。』というのだから、①および◎だろう。

イン殺は雷句誠に理解を示した後に『現在のサンデー編集部にも見るべき人はいるわけで、だからこそ総論と各論は区別されなければならない』としているのだから、敢えていえば①なのだろうが、◎ですらないかもしれない。

さすがに現役の作家で出版業界全般に絶望した!という④の人は見当たらなかったが、ふつうの読者の中には、今回の事件を経て、出版業界全体に不信の念を抱くようになっている④の人も相当数いることだろう。

私に関して言うと、①と◎の両方に当てはまる。漫画家を圧迫し、混乱を招いた編集者がいることは多くの人がブログ等で証言するところだが、現在のサンデーの漫画が全部面白くないかと言われればそうでもないし、がんばっていて作家との信頼関係を築いている編集者もいることだろうと思っているから、②ではない。しかし、この事件の混乱を招いた編集者には強い不満があるから①にあたり、かつ、出版業界全体にこのような問題があるのではないか?と思っているから◎にも当てはまる。そして、この程度の考え方が人は結構多くいるのではないだろうか。

さて、④や③や②の人がどのようなことをするべきかは思いつかないが、①と◎の私が今後、何をするべきかについては考えることができる。①や◎の人は、騒動を通して、サンデーおよび出版業界において、漫画家を圧迫するような編集者が排斥され、かつ漫画家の創作環境が向上することを期待しているのではないだろうか(違ったらすみません)。

では、そのような目的を達成するために、①や◎の人がどのような行動をとるべきだろうか。

まず、②の人のように、小学館全体に強い不満があるわけではないのだから、小学館の出版物の不買運動によっては目的は達成されない。たとえば雷句誠の今度出るガッシュの最終巻を購入することは、それが小学館の売り上げに貢献することになるとしても、それは同時に雷句誠に印税収入をもたらすのであるし、①や◎の人の行動としては問題はないことになる。

また、①や◎の人は②の人とは違って、サンデーの編集者全般が嫌いなのではないから、サンデーの不買運動によっては目的は達成されない。サンデーの不買運動によって、一部の編集者の巻き添えとして善良な編集者や漫画家に混乱を与えることは合理的でないというべきだろう(そのような事態が生じてもやむをえないという見解もありうるが、私はそのようなことは望ましくないと思う)。若木民喜の『minna sunday wo misutenaidene』という文はまさにそのあたりを願ったものだろう。

((6月12日:追記)
雷句誠の以下のような発言があったから、サンデーの不買運動は、今回の事件の当事者、雷句誠の望むところではないことも明らかである。
『皆様から来るメールにて、「もう少年サンデーは買いません。」などのメールも多数(いや、かなりたくさん)来ています。しかし、それは困ります。…「少年サンデー」も、出来れば愛読していただきたいのです。藤田和日郎師匠を始め、自分の知る漫画家さんもたくさん描いています。自分のアシスタントをやってくれた子もがんばっています。(本当にみんながんばってるのよ。)どうか、この件で「少年サンデー」を見捨てる事はやめて下さい。平に・・・お願いします。』)


結局、①や◎の人が期待するような結末に不買運動によって導くことは難しいのではないだろうか(この問題は60年代の労働争議などと問題が似ている気がする)。

だが、読者には、何もすることができないわけではないだろう。別に難しいことをすることはない。ただ漫画出版というのが人気・不人気によって業績が左右される、という事実それ自体が行動の指針を示している。今回の騒動で圧倒的に読者の不満を招いた問題の編集者は、それ以上サンデーの編集職に就いていること自体がサンデーの人気を落とすのだから、サンデー編集部が合理的に考えれば、サンデーはその人気を維持するためにその編集者を編集職からはずすことになるだろう。つまり、不買運動をするまでもなく、読者群がただ自然な消費行動にしたがっているだけで、編集部は不人気を招く編集者を組織から自浄的に排斥するのではないか。そして、問題の編集者は、これほどの問題を起こしたのだから、近いうちに排斥されることになるだろう。

しかし、このような自然な経過に委ねるだけの措置では、このような事態が再び起こることを防ぐには不十分であるというべきだろう。情報が十分に公開されなければ、上に述べたように、作家に不当な待遇を与えていることが人気に反映されない。作家が不当な扱いを受けることを予防するなんらかの新しいシステムが必要とされているはずだ。

そこで私が考えたのが次のようなシステムなのだが…
要約するに、出版社の作家への関与が妥当でない場合には、その会社の出版物の人気が下がるようになるシステムだ。

行政機関や大企業が、その活動によって与える環境への影響であるとか、雇用している労働者の管理の適切性であるとかを公開し、外部からの評価を得るようなシステムを構築している。ドイツなどではポピュラーなシステムだ。評価するのは評価能力を有する機関であったり、市民であったりする。このシステムを出版社にも応用すればいい。

つまり、その出版社が適切に作家を扱っているか、その作家管理情報の内容を公開し、外部評価を受けさせるシステムが考えられる。漫画家への拘束の度合い、待遇、ひとつの作品に編集者が何人関わっているか、著作権侵害に対応できる体制をとっているか、などといった作家管理に関する情報を公開することになるだろう。そして、この作家管理情報公開評価システムにおいて、評価をするのは個々の読者だ。

作家管理情報を公開しなかったり、管理の内容が適切でなかったりすればその会社の出版物の人気が落ちるはずだ。およそ作家に不遇の扱いを与えている出版社の人気が高くなるはずはない。また、不適切な企業の情報はネット上であっという間に広がり、その出版社の人気を下げるようになるだろう。そして、仮に出版社が虚偽の管理情報を公開すれば、出版社と契約関係にある作家は、公開情報が事実に反するとして訴訟を提起するなり何なりのアクションを取ることができる。

以上のようなシステムが採用され、多数の出版社が情報を公開するようになれば、管理情報を公開しないことそのものが不人気を招くことになるので、出版社の側は情報公開および作家の待遇改善に強く動機づけられることになる。そうすれば、読者の自然な消費行動が作家の待遇改善に結びつくようになることだろう。

追記:
今回の事件に関して、現在、明らかに足りないと思われるのは、情報公開だ。情報公開をしないから一方当事者の主張のみから憶測が一人歩きするのであり、それは情報公開を今のところ行っていない小学館にとって好ましい状況ではないだろう。少なくとも、無根拠な憶測が飛び交う状況は情報公開を行うことで改善されるはずで、それは小学館にとって利益となるはずだ。

(6月12日追記:
 小学館のHPに、今回の事件への反応が掲載されていた。訴訟の一方当事者の意見だけでなく、相手方がどのように対応していくつもりか、ということの情報が与えられることで、事件の報道に触れる人色々と考えることができるのだから、少しではあるが小学館の今回の事件についてのスタンスが明らかにされたことは非常に意義のあることだと思う。法廷での弁論についても注目していきたいところだ。)
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コメント

>サンデー編集部が合理的に考えれば、サ>ンデーはその人気を維持するためにその>編集者を編集職からはずすことになるだろう
今回問題になってる冠氏はテレビ業界出身でコネがあり実際担当作品がアニメ化
してるわけでどんなに問題があっても切れない気がするのだが・・・

  • 2008/06/11(水) 23:12:22 |
  • URL |
  • 編集切れるか? #-
  • [ 編集]

 色々みてまわりましたが、どうにも
読者が置いてけぼりなのは否めないので
ネットで意見もいわない静観している読者の意見も
気になるところです。書かれてあるとおり、
作品を見たりよまなかったりすればいいので、
もしかしたら…一番ドライなのは読者かもしれないですね。
あくまで漫画は娯楽であって日常に直結するわけでないんで。
ファン離れおよび漫画離れいたしかたなしかです。

  • 2008/06/12(木) 13:20:40 |
  • URL |
  • #-
  • [ 編集]

>>編集切れるか?さん

コネですか、それはあまり考えていませんでした…
しかし、コネは確かに合理的な選択を阻むものですが、その人をつなぎとめておくことによるコストが、コネをつないでおくことで得られるものよりも大きくなってしまえば、その人も切れるかもしれませんね。

↑の方

おそらく、今後、雑誌がつまらなくなったことや、作家を取り巻く環境が悪いことに辟易して、読者が雑誌離れを起こすこともあることでしょう。そのときに自浄的な反応ができるかどうかが今後の出版業界の鍵なんじゃないかな、と思っています。

  • 2008/06/12(木) 22:08:06 |
  • URL |
  • 団藤 #-
  • [ 編集]

雷句誠先生は訴状では
けちょんけちょんにサンデーを非難していたわりに、
サンデーへの売り上げへのフォローも忘れませんね。
そのへんはいわゆる義理ってやつでしょうか。

  • 2008/06/12(木) 22:30:53 |
  • URL |
  • #-
  • [ 編集]

↑の方

サンデーへのフォローというよりも、サンデーで書いている漫画家へのフォローかもしれません。雷句先生は、サンデーで書いている漫画家との関係を破綻させたくないと思っていらっしゃるのでしょう。

  • 2008/06/14(土) 15:18:26 |
  • URL |
  • 団藤 #-
  • [ 編集]

サンデー編集部の人間が世間から人間だと思われてない事が
よくわかる一件ですね、
正直、雷句先生のエキセントリックな性格は部内では有名なので。
今回に限って言えば雷句先生の被害妄想からの暴走ですが。
今まであまりいい噂が無かった小学館はここぞとばかりに
逆風に晒されてますね。

  • 2008/06/16(月) 04:58:57 |
  • URL |
  • ななし #-
  • [ 編集]

どうでしょう、私も雷句先生の側の主張だけでなく、小学館の側の意見も聞いてみたいところなのですが、小学館の側はなかなかコメントを発表しませんね。もっとアクティブに自分の側の見解を主張し、雷句先生の側の主張を否認するならするでその証拠を提出してほしいところです。

それにしても、私は20年近くサンデーファンだったので、今回の事件でサンデー全体の勢いが落ちることがあったとしたら、ファンとして悲しいですよ。近頃のサンデーはまちがいなくここ10年で一番面白くなってる気がするんですが。

  • 2008/06/17(火) 00:01:15 |
  • URL |
  • 団藤 #-
  • [ 編集]

>雷句先生の被害妄想からの暴走
たしかに、雷句先生はエキセントリックシアターな人ですが、根拠のないことをいうヒトでもありません。

・・・この事態がアニメ業界までに飛び火しないことを祈りますよ。


漫画版『ジャ○ん』のダ○シムエンドには、かなりムカついたことを思い出しましたよ。

  • 2008/06/19(木) 13:14:55 |
  • URL |
  • 名無神 #g87R8HuQ
  • [ 編集]

たまたまこんなのを見つけました。
こういった問題って昔からあったようですね。

http://www.d-lovers.x0.com/purupurun/index.html
の"profile"の部分。

『…そして連載が一周年を迎える頃、体力ではなく精神的に限界がやってきた。


N編集者と顔を会わせるのも電話で話すことすらもイヤになっていた。今にして思えば精神的に追い詰められて、軽い鬱状態になっていたのかもれない。マンガを描きたくないとか、そういうことではなかったが、ただもうN編集者との人間関係に疲れ果ててしまったのだ。

僕はN編集者から遠ざかるためにマンガの世界から足を洗おうと思った。
幸いにもまだ大学に通っている途中だし、その時点ではまだ軌道修正は可能なはずだったから。


僕はその旨をN編集者に伝えた。
しばらくすると編集長の判断で第一部が終わるのを機に、担当編集者が変わることになった。


・・・・・やめる理由がなくなった以上、描き続けなくてはならない。

連載は第二部に入った。

一部と二部で作品のテイストが違うのは、そういった理由からだ。



その後、連載はさらに一年間続き、週刊連載を抱える身で就職活動もままならなかった僕はなしくずしにプロのマンガ家の道を歩むことになった。ただし大学はちゃんと4年で卒業。

その後は、なんだかんだあって、今に至っている。…』

出版界全体における問題なんでしょうか。

  • 2008/06/22(日) 21:24:02 |
  • URL |
  •    #-
  • [ 編集]

>>名無神さん

雷句先生が根拠の無いことを言っていると考える人は、おそらく少数でしょうね。しかし、根拠が無いことはないにしても、雷句先生の受け取り方が客観的には正しくなかったということも考えられなくはありませんから、やはり訴訟などの場において相手方(この場合は小学館)からの反対尋問によって真実を明らかにしていく必要があるといえるでしょうね。
…あと、私はけっこうあの無茶苦茶なダルシムエンドが好きでした…まあ無茶苦茶でしたけれども。

>>↑の方

なるほど、こういうこともあるでしょうね。やっぱり情熱の集まるところでは少なからず軋轢もあるということでしょうか。
しかし、作者にトラウマを残すほどとは、並大抵のことではありませんね。

  • 2008/06/27(金) 23:33:55 |
  • URL |
  • 団藤 #-
  • [ 編集]

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