ナカノブひとりぼっち

(日常はあっけなくデストロイされちまった!)

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私立探偵ブリトニー ~勤労感謝の日にも職探し!の巻~

前回までのあらすじ:

仕事に恵まれない私立探偵、ブリトニーは節句働きな奴で勤労感謝の日に働き始めてやがる。
いや、むしろ常日頃は働いていないからこそ祝日に余計に働かねばならないのか。

ともあれ、ブリトニーは三途ノ川先輩のアドバイスでアンチ・産業スパイの探偵になった。

でもやっぱり仕事は無かった。


ブリトニーはまったく客を見つけられないまま冬を迎えた。
事務所の家賃は結局払えなかった。滞納したままだ。
冬だというのにストーブの燃料も買えない。出してはみたが、ストーブの意味は無い。
ブリトニーは内心困ったなあと思っていたがそれが表に出ないタイプなので周りからはあまり同情されなかった。
彼は同情を求めるタイプではなかったが、確実に彼の生活は苦しくなっていった。


靴下に穴が空いてもあまり積極的には買い換えようとかそういう発想が出てこない。
何とかごまかそうとか、もしくは靴下を履かないで済む方法を考えようとかで、
積極的に金のかかることをしようと考えない、それが彼の性格だった。

さまざまな試行錯誤の結果、ブリトニーは今夏に履いていた雪駄を引っ張り出して履き始めた。
雪駄を履いていると靴下を履く必要が無いのだが冬場にはあまりにも見た目が寒々しい。
実際も寒い。彼は近所の薬局で百円で買った中国製のフリース手袋をしていたので彼のファッションは全体としてミスマッチなものになっていた。

五反田の人々も彼をだんだん胡散臭い目で見始めた。もっとも、当初から胡散臭く思っていた人も多かったのであまり変化は無かったとも言える。
ある日のことだ。彼がよれよれの背広と雪駄で本屋にて立ち読みを行っていると、
ブリトニーの第六感が背後から店員にマークされているのを察知した。
彼は客探しのための重要な情報源の一つを失ったことを感じつつ、店を去った。

金に困ったブリトニーがすることは大抵いつも一緒だ。他にすることがないからだ。

「『冬蜂の 死にどころなく 歩きけり』…か。そんなかっこいいもんじゃないな」

ブリトニーがぼやきながら向かったのはまたもや三途ノ川だった。
この男、知己を金の出所ぐらいにしか考えていないんじゃないだろうか。

「こんちは、先輩」
「あ、ブリトニーじゃないか」
「今日はおりいって相談がありまして…
 先輩が以前教えてくださった営業秘密対策探偵になれってやつ、
 あれを実行しているんですがどうも顧客獲得という面で問題があるようでして…
 私は今後この分野が成長する見込みがあると思うのですが、どうですか出資しませんか」
「…金を貸してくれないか、ってことか」
「まあそうなんですが、私には担保はありませんよ」
「あったら銀行かなんかから借りてくるだろう」
「私には保証人もいませんが」
「頼むから俺を勝手に保証人にして借金とかするなよ」
「私も人間として最低のルールは守ろうとしていますよ。
 そこで私に真人間になるためのアドバイスがほしいんですが、
 前に先輩から頂いたアドバイスを実行するための顧客情報ってなんかありませんか」
「顧客情報ねえ…」

また三途ノ川は考え込んだ。いや、今回も考えているフリをしているだけかもしれない。

「そうだ。これを調べてみろ」

三途ノ川は机のパソコンに向かい、

「君は営業秘密に関して手助けを求めている企業を探しているんだな…?
 だったらこれを見れば早いんだ。
 ほら、最高裁判所が提供しているデータベース…そのうちの知的裁判例集だ
 これで『営業秘密』で検索すれば、どこの誰が営業秘密漏洩問題に直面してるか分かるぞ」
「へえ!こんなものがあるんですか!」
「ああ。しかもタダだ」
「タダ!」
「すごいだろう。しかもほら、これでいろんなことが分かるだろう…
 例えば商品の原価が営業秘密に当たるか?ということなんかが問題になってる。
 原価が営業秘密に当たるという人もいれば当たらないという人もいるんだが、
 商品原価がもしも一般の人にばれたらこまるメーカーもあるだろうね。
 そこで君が裁判を起こしているメーカーや起こされているメーカーにいって、
 原価についての情報が一般には漏れないように工作すればいいんだ。
 さらに、裁判所の出す判決文には裁判官の名前だけじゃなくて、
 訴えた企業の名前、訴えられた企業の名前、さらには弁護士なんかの実名も載ってる」
「すごい!これがあれば客がみつかりそうです」
「そうか、良かったな」

ブリトニーは重要な情報を得て、意気揚々と自分の事務所に戻った。

「よーしさっそくデータベースにつないでみようか!」

だが、ブリトニーの事務所には今のところハイテク機器といえば黒電話ぐらいしかない。

「とりあえず、まずはパソコン代とインターネット代金から稼がなきゃな…」




(続く)

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テーマ:創作オリジナル - ジャンル:アニメ・コミック

コメント

なんか予定通りというべきか、今後お堅い小説になりそうな気がする…

営業秘密探偵という狙いがそもそも悪かったのか…
発想はいいと思ったんだけども。

  • 2006/11/23(木) 22:42:57 |
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