ナカノブひとりぼっち

(日常はあっけなくデストロイされちまった!)

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そろそろwinny裁判の判決が出るようだね

winnyに関する刑事事件の裁判が第一審での判決をぼちぼち迎えるんだそうで。

ネット上ではかなり注目された裁判だし、せっかくなのでここはひとつ判決の予想をしてみよう。

結論から言うと、私の予想は有罪。秋霜烈日。


その理由は以下のとおり。


まず、裁判評釈の常として、他の裁判例について俯瞰してみよう。

P2P技術による著作物利用に関する裁判事例

P2P技術による著作物利用に関する裁判事例としては、米国において中央管理型のP2PのNapster事件、中間的な形態のAimster事件、非中央管理型P2PのGrokster事件があるのだが、どのケースでも何らかの形で著作権侵害が認定されている。ソフトウェアの開発者はともかくとして、少なくとも個々のユーザーが著作権侵害の責任を問われることは間違いないだろう。

ただ、これは著作権法上の問題、その中でもP2Pのからむ事件について特に言えることだが、個々のユーザーの法的責任は問いうるものだとしても、その侵害行為を捕捉する事は困難なのである。実際に個々のユーザーに向けて訴訟が提起されることは考えにくいか、あるいはあっても非常にレアなケースとなるだろう。

では、今回の事件で特に問題になっている金子被告の罪責とはどのように認定しうるか。

幇助って何?

今回の事件で問題になっているのが著作権法の幇助について。幇助犯というのは、わかりやすくいうと従犯のことだ。すでに犯罪を実行する意思を有する者(正犯)の実行を容易にする一切の行為が幇助として評価される。

従犯が成立するためには、幇助者が正犯を幇助すること、それに基づいて被幇助者が実行行為を行うことの二つの要件の充足が求められる。

winny事件の場合前述のとおり個々のユーザーが著作権侵害行為を行っているという客観的事実は存在すると言っていいだろう。そのため、後者の要件は充足されている。問題は前者の要件、特に金子被告の主観的要素だ。

正犯を幇助すること…幇助者は正犯を幇助する意思で幇助行為を行うことが求められる、ということだが、ここから従犯の故意とは何かが説明される。

従犯の故意とは、正犯者の実行行為を表象し、かつ、その実行を自らの行為によって容易にさせることを表象・認容することをいう。

なお、教唆犯の故意の場合と同様、正犯者が実行行為を行うことを表象すれば足りると解される。つまり、幇助行為の結果、正犯の実行が容易になることの認識があれば足りる
また、従犯の故意は未必的なもので足りる。

時たまwinny事件を評して「包丁を貸したやつが殺人を犯したら幇助犯にさせられたようなもんじゃないか」という言い方をする人がいるが、たぶんその人はこの故意如何を誤解しているのだろう。確かに、包丁を貸して幇助犯になることもあるが、それは「この貸した包丁で殺人をするんだろうなあ」という意思があった場合のことで、そのような意思無く、ごく普通に包丁は使われると考えて(つまり料理に使われると考えて)包丁を貸した場合には、故意に欠けるとして幇助とは評価されないことになる。

さらに付言すると…例えば、銃を貸した人によって「いやあまさか殺人をするとは思わなかったですよ、鳥撃ちに行くっていってたもんだから銃を貸したんで…」とかいう弁明がなされたとしても、貸した銃というのがサイレンサー付きピストルだったりしたらその発言はかなり信用できないことになる。はっきり言ってしまえば、サイレンサー付きピストルという犯罪に使用される蓋然性の非常に高いものを貸したということで幇助の故意が認定できるためだ。さらにさらに付言すればwinnyをダウンロード版での47氏の発言の態様やダウンロード板の性質などを考えるとかなりこっちのケースに近いだろうな…

これに関連する話なので、幇助の方法についても説明を加えよう。

凶器や犯罪の場所を提供したりするのが有形的従犯であり、激励したり助言したりするのが無形的従犯である。winnyを提供した金子被告の行為は有形的従犯になる。

有形的従犯として認められたケースを判例に見てみると:
贈賄者に賄賂としての金銭を貸与すること、傷害犯人に日本刀を貸与すること、堕胎手術に関する費用を供与すること、窃盗犯人のために、窃盗行為前に盗品の売却を周旋すること、詐欺を企てているものに相手方(つまり被害者)を紹介すること、など。

…結局、これらと同様のものとして金子被告も有罪とされるんじゃないだろうか。

詳しく言えば、金子被告は著作権侵害の幇助の意思を持ってWinnyの配布という幇助行為を行い、著作権侵害の実行を容易にしたってことで有罪になるということだろうね。

うむ。winny事件も先述の有形的従犯裁判例のリストの中に載るんでしょうかね…
一抹の感慨が。
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テーマ:時事 - ジャンル:政治・経済

コメント

(…こういっちゃあ不謹慎だが、有形的従犯の判例を読むと人間模様みたいなものが透けて見えて面白い。最高裁判例データベースなどを覗いていて『事実』の部分が最も面白い裁判の領域が幇助犯だと思う)

  • 2006/12/11(月) 20:36:37 |
  • URL |
  • 超伝導ET #-
  • [ 編集]

有罪だったとするとネット上での反論も大きいだろうけれども、
幇助の概念を通説的に理解すれば結論としては有罪になるだろうなあ。
あ、でもGrokster事件は違ったんだっけか。

  • 2006/12/12(火) 12:31:57 |
  • URL |
  • 団藤 #-
  • [ 編集]

おお、結果的に予想は大当たりだったじゃないの!
すごいね。
もっとも、大方の予想通りだったともいえるだろうけど。

  • 2006/12/13(水) 18:11:47 |
  • URL |
  • e-co #-
  • [ 編集]

わーい当たった。
…喜ぶほどのものでもないか。

しかしやはり反対意見はネットでは多かったね。
でもそういう人は幇助犯をどのようにカバーしようとしているんだろうか?

  • 2006/12/14(木) 20:31:46 |
  • URL |
  • 超伝導ET #-
  • [ 編集]

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