ナカノブひとりぼっち

(日常はあっけなくデストロイされちまった!)

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何が萌え漫画かを判定する『萌え漫画阻却事由理論』の提案

ある漫画が萌え漫画にあたるか否か、ということがしばしば問題になる。

漫画が萌え漫画に当たるか否かによって漫画の批評のあり方も変わり、商業上の展開もまた変化してくること、ある漫画をごく普通の漫画とするか、萌え漫画とするかで評価そのものが変えられうることなどを考えれば、確かにある漫画が萌え漫画に当たるか否かと言う問題は重要な問題であるといえよう。

だが、何が萌え漫画に当たるのか、と言う問題を画一的に処理することのできる基準はまだ提唱されていないようだ。そのためか、『○○は萌え漫画だ』『いや○○が萌え漫画なはずはない』という意味の薄い論争もまた、しばしば繰り広げられているようだ。

そこで、任意の作品が萌え漫画に当たるか否かを判断するための基準を提案する。なお、私はこれを『萌え要素阻却事由理論』と呼ぼうと思う。

私が提案する理論によれば、ある漫画が萌え漫画であるかどうかは次の二段階の検討によって判断できる。

①まず、萌え漫画構成要件該当性を検討する。
②次に、萌え要素阻却事由を検討する。

萌え漫画構成要件該当性を満たし、萌え要素阻却事由が無いものが萌え漫画である。
『萌え漫画構成要件該当性』だの『萌え要素阻却事由』だの言われても分かりにくいと思うので、以下にその詳細を説明する。

①萌え漫画構成要件該当性とは、積極的・客観的に萌え漫画であることを基礎付ける事実のことである。萌え漫画構成要件とは、次の二つの要件である。

(1)漫画である。
 つまり、漫画という媒体であることを第一の要件としている。

(2)萌え要素がある。
 萌え要素とは『萌えを想起させるもの』と定義しておこう。
 つまり、萌え要素という形でジャンルが説明されるためそれを第二の要件としている。
 なお、ここで萌え要素を分類すれば、萌えキャラ要素及び萌えシチュ要素に分けられる。
 分かりやすい例を挙げれば、『ツンデレ』や『メイド』は萌えキャラ要素であり、『一つ屋根の下』は萌えシチュ要素である。

 以上の基準で、『漫画のうちで萌え要素のあるもの』が萌え漫画構成要件該当性を満たすといえる。これは萌え漫画を漫画のうちの一部分と言う形で限定して萌え漫画を捉えるものである。

具体的に例を挙げてみよう。
・『スクールランブル』に出てくる沢近はツンデレである。『スクールランブル』は漫画であり、ツンデレは萌えキャラ要素である。よって『スクールランブル』は萌え漫画の構成要件該当性を満たす。
・『美味しんぼ』に出てくる海原雄山はツンデレである。『美味しんぼ』は漫画であり、ツンデレは萌えキャラ要素である。よって『美味しんぼ』は萌え漫画の構成要件該当性を満たす。
・『刑務所の中』は舞台が刑務所であり、登場人物はみな一つ屋根の下で暮らしている。『刑務所の中』は漫画であり、一つ屋根の下は萌えシチュ要素である。よって『刑務所の中』は萌え漫画の構成要件該当性を満たす。

②萌え要素阻却事由とは、漫画における萌え要素を否定する方向で働く事実、つまり萌えの想起を妨げる事実のことである。
 ある漫画に萌え要素阻却事由がある場合、その漫画を全体としてみれば①において検討された萌え要素は減少し、あるいは相殺されることになる。つまり、萌え要素があっても萌え要素阻却事由が存在すればそれは全体としてみれば萌え漫画とはいえないことになる。

具体的に例を挙げてみよう。
・『スクールランブル』は萌え漫画構成要件該当性を満たす。そして、特に萌え要素阻却事由が見当たらない。
よって、萌え漫画構成要件該当性を満たし、萌え阻却事由が不存在であるので、萌え漫画といえる。
・『美味しんぼ』は萌え漫画構成要件該当性を満たす。そして、『美味しんぼ』は絵、ストーリー展開などに萌えの想起を妨げる事実があるといっていいだろう。
よって、萌え漫画構成要件該当性を満たすが萌え阻却事由が存在するので、萌え漫画とはいえない。
・『刑務所の中』は萌え漫画構成要件該当性を満たす。そして、『刑務所の中』では刑務所独特の煮詰まったような雰囲気が描かれ、それが花輪和一の独特の絵とあいまって萌えの想起を妨げている。
よって、萌え漫画構成要件該当性を満たすが萌え阻却事由が存在するので、萌え漫画とはいえない。


…とまあ、萌え要素阻却事由理論萌え要素の存在という積極事由のみによって萌え漫画を定義しているとき(不当に萌え漫画の範囲を拡張しがちであった)と比べて客観的かつ妥当な結論を導くことができる基準なのだ。
便利な理論だなあ萌え要素阻却事由理論は!

なお、便宜なので萌え漫画構成要件該当性を満たすが萌え要素阻却事由が存在するときを『形式的萌え漫画』と呼び、萌え漫画構成要件該当性を満たし萌え要素阻却事由も存在しないときを『実質的萌え漫画』と呼ぶことにしよう。『美味しんぼ』は形式的萌え漫画なわけである。

面白いので他にも検討してみよう。

・『めぞん一刻』は漫画であり、一つ屋根の下という萌えシチュ要素を有する。だが、そして、漫画の前半においては特に萌え要素阻却事由が存在しないといっていいだろう。だが、『めぞん一刻』は後半においては主人公の五代の煩悶など青春ドラマ的な要素も強くなっており、青春ドラマ的要素はどちらかといえば萌え要素を阻却する方向に働く。後半には萌え要素阻却事由が存在するといってよいだろう。
つまり、『めぞん一刻』は前半は萌え漫画であるが、後半は萌え漫画ではないといえる。
・『ぱにぽに』は漫画であり、ベッキー(ちびっ子という萌えキャラ要素)、ベホイミ(魔法少女という萌えキャラ要素)、姫子(アホ毛という萌えキャラ要素)を有し、萌え阻却事由も特に見当たらない。よって萌え漫画である。
・『ぱにぽにだっしゅ!』はアニメなので萌え漫画ではない。ただ、萌え要素阻却事由理論はアニメに関しても類推適用できるので、『ぱにぽに』と同様に萌え要素を持つ『ぱにぽにだっしゅ』は萌えアニメだといえる。
・『涼宮ハルヒの憂鬱』は長門などキャラ萌え要素を持つアニメである。そこで萌え要素阻却事由を検討するに、「『涼宮ハルヒの憂鬱』はその世界観から萌えアニメではない」という説も存在する。
確かに、ハルヒという特殊なキャラクターを取り巻く世界観をもって萌え漫画阻却事由の存在を認めることもできるかもしれない。だが、依然として存在するキャラクターなどの萌え要素を阻却し、萌えの想起を妨げている、というほどには至らないものとして、萌え漫画であることを認定してもよいだろう。


最後に媒体およびジャンルについて一般化した形を示しておこう。

『ある媒体Mのジャンルe(つまりeM)に含まれるかどうかということを任意のmについて判断しようとするとき、
(1)ジャンル構成要件該当性(①mがMであり、②mにはe要素が存在する)を満たし、
(2)ジャンル阻却事由がないときに、
そのmはeMに含まれる、ということがいえる』
といったところだろうか。

たとえば岡田あーみんの『お父さんは心配性』が少女漫画か否かについて検討してみると、

(1)①『お父さんは心配性』は漫画であり、②『お父さんは心配性』には少女漫画要素が存在する(りぼんで連載されていたことをもって少女漫画要素の存在を認定してもよいだろう)ため、少女漫画構成要件該当性を満たす。
(2)『お父さんは心配性』では非常に異彩を放つようなギャグが漫画全体にちりばめられており、けなげさや可憐さなど少女漫画性の想起を妨げる事実が存在し、少女漫画阻却事由が存在する。
よって、『お父さんは心配性』は少女漫画にはあたらない(形式的少女漫画にあたることになる)。
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コメント

「~の想起を妨げる事由」という形での論理構成は便利だね。
美感の想起を妨げる装飾、とかね。

  • 2007/01/18(木) 02:04:09 |
  • URL |
  • 超伝導ET #-
  • [ 編集]

なんか…難しい…。

つまりこれにしたがって考えると
『それでも町は廻っている』はメイドというキャラ萌え要素があるけれども、
女の子が鼻水をダラダラ出すという萌え阻却事由があるっていうこと?

  • 2007/01/18(木) 21:23:58 |
  • URL |
  • e-co #-
  • [ 編集]

ははあ、これのセンでいくと…
『よつばと!』はえなが萌え要素だと認定したとして、
よつばと特有のまったり感が萌えを阻却するか?ってことが問題なワケか。

あと、超伝導ET君、タイトルが『萌え漫画阻却事由の理論』になってるけど正しくは
『萌え要素阻却事由の理論』なのかな?

  • 2007/01/20(土) 01:36:33 |
  • URL |
  • ファンの一人 #-
  • [ 編集]

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